2021.03.25 政策研究
第12回 地方性(その3)
東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 金井利之
地方改良運動
「地方創生」に見られるような、地方圏への経済活性化、及び、それによる東京圏・日本全体への貢献という発想は、目新しいものではなく、むしろ、平凡なものである。国政が地方圏に政策的に梃子(てこ)入れするのは、国政にとってメリットがなければならないし、非地方圏である大都市圏にもメリットがなければならない。地方に対する政策は、二つの地方性に対置される二つの中央性(中央政府+大都市圏)に対する政策でもなければならない。単に地方利益の追求だけでは、地方圏と大都市圏とのゼロサム的対立になるだけであり、国政にも紛争の種になるからである。こうした地方圏対策の嚆矢(こうし)は、日露戦争後に展開された「地方改良運動」又は「地方改良事業」である(1)。
つづきは、ログイン後に
『議員NAVI』は会員制サービスです。おためし記事の続きはログインしてご覧ください。記事やサイト内のすべてのサービスを利用するためには、会員登録(有料)が必要となります。くわしいご案内は、下記の"『議員NAVI』サービスの詳細を見る"をご覧ください。