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2019.02.12 議会運営

第42回 退職議員の記章(バッジ)は返してもらうべきか?

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議会事務局実務研究会 吉田利宏

お悩み(オークションでびっくりさん 50代 議会事務局次長)
 市議会事務局の次長をしております。統一地方選が近づいてきました。我が市議会でも選挙が行われます。今回、何人かの引退議員がいますし、惜しくも当選がかなわなかった議員も生じるかもしれません。本日、ご相談したいのが議員記章(バッジ)のことです。我が市議会は独自の記章を議員記章規程(議会告示)で定めています。規程には、記章が貸与されたものであることや、他人に譲渡することはできないことが規定されています。ところが実際には、当選のたびに議員に記章を渡します。当選回数を重ねた議員は「予備」として、いくつもの記章をお持ちです。また、引退議員に記章の返却を求めることもしていません。「返してください」といいにくい状況もあり、こうした取扱いが定着しています。
 こうした中で、ちょっとしたトラブルが発生しました。大手のネットオークションで我が市議会の記章が出品されているという「通報」が市民からなされたのです。古いもののようですが、我が市議会の記章に間違いありません。昔の議員の遺族などがネットオークションに出品したものではないかと思われるのですが、議会の信用にかかわることとして議会内で問題となっています。どのように対応すべきかの案を議長に進言しようと思うのですが、やはり記章は返却を求めるべきものなのでしょうか?

回答案
A どの議会にとっても、記章はその議会の議員であることを証明するものであることを考えると、退職議員からは返却を求め、管理を徹底すべきである。
B 議員でない者にとって記章は何の意味もない。ネットオークションへの出品も頻繁に行われているわけではないので、これまでどおりの取扱いで十分だ。
C 記章は議員を象徴するものでしかないが、その管理が不十分であることは議会への信頼を損なわせるものとなりかねない。この機会に記章の管理を強化し、返却を求めることはやむを得ない。
 

お悩みへのアプローチ

  ネットオークションをのぞくと、議員記章がたくさん出品されています。どこの議会のものか分からない古いものが多いようですが、中には特定の自治体の議会の記章もあります。
 多くの議会の議員記章規程では「記章は、議員に貸与する」とされています。議会事務局が、記章の返却を受けていればこうした事態は生じないでしょうが、オークションでびっくりさんの議会のように、退職議員に「武士の情け」で返却を求めていないところが多いようなのです。また、選挙で当選するごとに「交付」が行われている現状や、紛失などを理由とする購入(再交付)も容易なことから、いくつものスペア記章を持っている議員もたくさんいます。「他人に貸与又は譲渡することができない」とされる記章です。遺族などの手によるものかもしれませんが、オークションへの出品は望ましいものとはいえません。それが議会不信につながるなら「何とかしなければ」と思う議会事務局サイドの気持ちはよく分かります。

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