2018.12.25 議会運営
第7回 子ども達の遊ぶ姿も見える、開かれた議場【兵庫県太子町議会】
自治体議会の「顔」ともいえる「議場」。そこには、自治体の歴史や理念が反映されています。『議員NAVI』では全国の自治体の議場を訪問し、自治体議会の「顔」をビジュアルにお伝えします。
第7回は兵庫県太子町議会を訪問しました。

議会棟入り口2
円形の議場
議場からは中庭が見渡せる
中庭では子供達の遊ぶ姿も。開かれた議場といえる。
庁舎は中庭を囲んでオープンなつくりとなっている
併設するカフェでは町民が集う
モダンな傍聴席
議員控室も傍聴席同様、モダンな雰囲気
落ち着いた雰囲気の議会図書室
―議場の特徴を教えてください。
平成27年9月開庁の新庁舎議会棟の議場は「開かれた議会」のシンボルの一つとして、緑豊かな中庭を壁一面のガラス窓越しに望める開放的空間となっており、そのガラス窓を開放すれば、イベント等で中庭との一体利用が可能となる1階に配置されています。
本会議は座席を円形に配置し、議員が横並びになることにより、議員間の序列も感じにくく、また議長席からは全議員の顔が一度に見えます。
議場を1階に配置しているため、たまたま中庭を歩いている住民が足を止めて議会の様子に見入ったり、そこから実際に傍聴に来られたりと、行政や議会の透明性、公開性を高めるきっかけ作りの場となっています。
―議席の席順はどのように決められていますか?
議員16名中、1~14議席は当選回数順(同じ当選回数の場合は年齢順)としており、残りの2席は副議長、議長としています。
―傍聴席との距離はどうですか?
傍聴席を2階に配置しているため、少し遠いと感じる傍聴者がおられるかもしれませんが、一方で、議事の進行に気を遣うことなく自由に入退室ができるため、傍聴に来やすくなったとの声を多くいただいています。また傍聴席の座席がベンチ式のため、場所を移動して様々な角度から議員の表情を見ながら傍聴される姿がよく見られます。
―住民が傍聴しやすい工夫は何かされていますか?
傍聴席横のスペースにラウンジを設置し、深くソファーに腰掛けたまま、直接あるいは50インチのモニター画面を通して、ゆったりと議事が見られるようにしています。また、聴覚障害者等から傍聴の希望があったときには、手話通訳者や要約筆記者を配置するようにしています。
―議会以外に、イベント開催で使用されることはありますか(多目的利用できますか)?あるとすれば、どんなイベントですか?
この空間は、議会をするときは議場となりますが、閉会中は会議や講習会、また災害時の資材置き場等、自由に使用できる多目的ホールと位置付けています。 そのため、内容に応じて可動式の机を移動し、円形型、対面型、完全円形型、座席なし等を選択できるようにしています。過去に行いました主な町主催事業等は次のとおりです。
① H27.11 ラジオ公開放送(ラジオ関西)
② H29.1 食の安全安心講習会
③ H29.3 議場コンサート(太子高等学校Jコーラス)
④ H29.4 選挙投票所資材の一時保管
⑤ H29.11 学童美術展
⑥ H30.1 PTCA実践発表会
⑦ H30.3 播磨圏域連携中枢都市圏事業 緑のカーテンゆるキャラ大集合
⑧ H30.7-8 自習室(スタディホール)
―表決の方法はどのように行っていますか?
電子表決システム(押しボタン)ですが、人事案件は原則として無記名投票としています。
―バリアフリーの配慮はされていますか?
庁舎建設時に全庁的にバリアフリー化しており、議場内も段差のない平面フロアとなっています。
議会名:兵庫県太子町議会
定数:16名(31年4月1日以後初めてその期日を告示される一般選挙からは15名)
議会HP:http://www.town.hyogo-taishi.lg.jp/soshikikarasagasu/taishityougikai/
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