2018.09.10 議員活動
第9回 政治活動の要「後援会活動」(平時編)
弁護士 金岡宏樹
今回は、議員の皆様の活動を物心両面で支える後援会の活動のうち、平時の活動について検討します。
後援会には熱心な支援者の方がたくさんおり、様々な場面で支援の輪を広げ、結束を高めてくれる、なくてはならない支持基盤ですが、勇み足で公職選挙法(以下「公選法」ないし「法」といいます)違反の活動になってしまわないよう、少し考えてみましょう。
なお、後援会等の後援団体が行う祝儀・香典等の供与については、前回(連載第8回・2018年7月10日号)記事の解説2をご参照ください。
Question
Q1 私は当選2回の県議会議員です。選挙区域内の支援者によって構成される後援会(資金管理団体の登録届出済み)から、政治活動のための備品などを寄附してもらっていますが、逆に、後援者拡大のため、私から拡大活動費用を後援会に寄附してもよいですか。
Q2後援会を県内全体に広げていくため、それぞれの地区に幹事を置き、その方の自宅を担当地区の連絡所として「『◯◯(私の氏名)後援会』連絡所」の看板を立てています。看板がいくつか余っているので、駅前の目立つところにある私所有の空き地に立ててもよいですか。
Q3後援会として、次回の選挙まで私の政治活動のポスターをつくって各後援会員の家や塀に貼ってくれることになりました。後援会として気をつけるべきことはありますか。
Q4 後援会では、毎年成人の日に恒例となっている正月旅行会を行っています。今年の旅行は本年5月中旬に予定されている県議会議員選挙での私のトップ当選に向けて、大々的に支援者拡大と機運の盛上げをしようと思っています。
① 新しい後援者を増やすため、選挙区域内在住の非後援会員の参加者については旅行代金を安く設定することは可能ですか。
② 旅行の道中における私の挨拶で、これまでの感謝と今後の政治活動に対するますますの支援をお願いしても問題はないですか。
③ 旅行の宴会で福引き大会を行い、支援者の方から賞品用に差し入れてもらったものを賞品として渡すことはできますか。
④ ③の福引き大会において、私から特別賞として、地元の日本酒を贈ってもよいでしょうか。
⑤ 旅行後に、参加者の自宅に伺い、旅行参加の御礼挨拶とともに後援会会報とお土産(旅行代金にもともと含まれているもの)を渡してもよいですか。
Q5後援会が私をゲストとして招き、選挙区域内の事務所で政策勉強会を行うことになりました。
① 勉強会中、後援会から参加者にお茶やサンドイッチ等の軽食を出すことはできますか。
② 遠方から来る参加者のため、後援会でマイクロバスを借りて送迎することはできますか。
③ 後援会主催ではなく、議員である私が主催して政策勉強会をする場合、①②を行うことはできますか。
Q6いよいよ県議会議員選挙が来月に迫り、私も3期目を目指して出馬することになりました。
① 告示前に後援会総会を開き、後援会が私を推薦する決議を行ってもよいでしょうか。
② 選挙対策の中心になる後援会幹事を対象に、選挙の際のコンプライアンス確保のため、後援会主催で公選法の研修会を開催してもよいでしょうか。
③ 前回の選挙でも選挙運動員となっていただいた後援会員に、今回も運動員になってもらうよう自宅を訪問してお願いしたいのですが、問題はないでしょうか。
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