2018.10.10 議会運営
第5回 自然光が入る気持ちのいい議場【千葉県習志野市議会】
自治体議会の「顔」ともいえる「議場」。そこには、自治体の歴史や理念が反映されています。『議員NAVI』では全国の自治体の議場を訪問し、自治体議会の「顔」をビジュアルにお伝えします。
第5回は新庁舎建設1周年を迎えた千葉県習志野市議会の議場を訪問しました。

議場全景
習志野市の「習」の字をモチーフにしている天井。市章は旧庁舎で使っていたもの

電子採決システムを装備した議席。賛成の際にボタンを押す。
モニタ制御席
48席ある傍聴席。市民が自由に座れるように「記者席」は特に用意していない。
6階の展望回廊。取材に行った日は親子連れが外の景色を撮影しに来ていた。
議場入口のスロープ
委員会室
―議場の特徴を教えてください。
旧庁舎は1964年に建設し、東日本大震災により使用困難となり、2017年にこの庁舎ができました。旧市庁舎の議場にあった市章を移設し、現在の議場に掲げています。今年で1周年を迎えました。
議場は、市庁舎の5階・6階の一部を1フロア化した構造となっています。6階は展望回廊として供されており、議場内も常に見られる構造であるため、本会議中は傍聴席に入らなくても会議の様子を見ることができます。
議場内にはTVモニターが4台設置されています。2台はインターネットで生中継されているものと同じものを議員席、執行部席それぞれが見られるようになっており、もう2台は、電子採決システムによる採決状況のほか、出席議員数や一般質問における発言時間を確認できるようになっています。
―議場の特徴によるメリットやデメリットを教えてください。
メリットは、閉会中も、展望回廊から常に議場を見ることができるため、議会を身近に感じてもらえるものと考えています。
デメリットは、展望回廊から議場を見るためのガラス窓は大変大きく、時間帯によっては、展望回廊から西日や朝日が強く入り込む点です。ただ、自然光が入ることによって、開放的で時間の経過が感じられるという声もあります。
―議席の席順はどのように決められていますか。
各会派の代表と正副議長で構成された「会派代表者会議」において、各会派間で調整し決定しています。
―表決の方法はどのようにとっていますか?
電子採決システムを採用しています。議案等に賛成の議員は、自席にある賛成ボタンを押して賛成の意思を示す仕組みとなっています。議員ごとの採決結果は、議場内モニターにて議案ごとに表示され、翌日には市のホームページで知ることができます。
―住民が傍聴しやすい工夫は何かされていますか?
傍聴席に磁気ループ補聴システムを設置しているほか、補聴器の貸し出しを行っています。また、利用日7日前までに申請していただければ、手話通訳者を手配します。さらに、特別傍聴席は、車椅子用の部屋とベビーベッドを備え付けた子連れ用の2部屋あります。なお、傍聴席のあるフロアには、授乳スペースも設けています。
―バリアフリーの配慮はされていますか?
議場は見やすさへの配慮から階段状となっていますが、車椅子を使用する議員を想定して、議場入口のほか、自席や演壇へ移動するためのスロープを設置しています。また、演壇の周囲も、旋回しやすいようスペースを広くしています。なお、議場内にも磁気ループ補聴システムが整備されています。
―議会以外で議場を使うことはありますか?
議場内は、議員席、執行部席とも、マイクセット等を取り外すことが可能となっているため、本会議以外の用途など多目的な利用が可能です。また、プロジェクターを設置するとともに、議長席後方の壁を白色にすることで、250インチ相当のスクリーン(縦 約3.1m、横 約5.5m)での上映が可能です。本年7月には、市立習志野高校吹奏楽部の演奏のDVDを上映し、約150人の市民に観に来ていただきました。
議会名:千葉県習志野市議会
定数:30名
議会HP:http://www.city.narashino.lg.jp/joho/shigikai/index.html
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