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2017.12.25 議会運営

第31回 議員の真剣勝負を書き残す「会議録」

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議会事務局実務研究会 大島俊也

 自治体議員の皆様、こんにちは。第31回目の今回は、「会議録」についてです。会議当日の議事などに比べれば注目されにくい地味なものですが、とても大事な会議録に関する疑問点にお答えします。

会議録って、誰がどうやってつくっているの?

男性

 会議録をつくるのは、議会事務局の大事な仕事です。とはいえ、数時間に及ぶ議論の応酬を一職員がひたすら書き留めるという神業はほぼ無理なので、多くの自治体議会では、会議を録音したものを主に委託業者が反訳、いわゆるテープ起こしをしています。今は技術が進歩して、議論しているその場で文字化していく音声認識ソフトを導入しているところもあるようです。事務局職員は何もしないわけではなく、反訳してできた会議録の粗原稿を正確で読みやすいものに修正する整文という大事な作業があります。
 ちなみに、全ての会議録を全文記録にしなければならないわけではありません。これは各議会の会議規則や委員会条例、運用の仕方によって異なり、全文記録ではなく要点のみの記録としている議会もあります。ただ、省略しすぎると、後から読む人には当時の議論の経過が分からず、会議録としての本来の役割を果たせません。議員の皆さんが会議で真剣勝負を重ねていることを理解してもらうためにも、誰にとっても分かりやすい会議録を残していくことが求められています。

もっと早く会議録をつくれないの?

女性

 筆者が会議録の作成を担当していた頃、自治体議員はもちろん、時に一般住民からも「まだできないのか」とお叱りに近い声を何度もいただきました。会議が終わったらすぐ会議録を見たいという気持ちは分かるものの、その作成には実は時間がかかります。
 話し言葉は、「あのー」とかが入ったり文法として成立していなかったりするので、そのまま文字にすると読みにくいものです。「アベさん」という言葉が、「阿部議員」か「安部部長」か「安倍首相」か、文脈で推測できることもあれば背景を知らないと分からないこともあります。議会の歴史を書き残す客観的記録として手を加えすぎないようにしつつ、慎重に手直しをし、正確で読みやすいものにする仕事は、決して楽なものではありません。
 次の会期が始まろうというときに、前の会期の会議録ができていなければ、さすがに遅すぎるでしょうが、数日あればできるものではないことは、ご理解いただきたいところです。
 ただ、整文をする前の粗原稿を見せたり、録音した音源を使って事務局職員が一部だけ反訳して渡したりする対応をしている事務局もあります。議会によって運用の仕方は違うので、急ぎで欲しいときは事務局に相談してみてください。

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