突如として発生した新型コロナウィルスのパンデミックにより、国の政策や社会の仕組み、市民生活、コミュニケーションの様式など…多くの変化が短期間のうちに世界各地で起こりました。
同時多発的にパンデミックが起こったことによって、世界各国の政府の姿勢や政策の違いも如実に見えてきました。それは、コロナ前から顕在化しつつあった日本社会の抱える歪みや問題を一層あからさまにしたといえます。中央集権への揺り戻しとその限界、地方分権の意義、地域の衰退、やせ細った医療制度、旧態依然の行政システム、政治の腐敗など…。
地方議会は、「地方自治の根幹」として、民主主義を体現するものとして従来位置づけられてきました。しかし、完全に機能してきたとはいえず、住民不信と議会改革がこの数十年同時進行してきました。
ポストコロナ禍において議会の課題として、オンライン議会の話題が直近ではにぎわっています。民間と比べてもＩＣＴ化の遅れている議会運営において、喫緊の課題と言えるでしょう。本特集ではそうしたオンライン議会の議論だけでなく、そもそもの地方議会の役割や意義、課題をふりかえりつつも、このポストコロナの時代に地方議会はどこへいくのか、どこへいくべきなのかを読者と共に考える特集と出来ればと思います。