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2025.10.10 ICT活用・DX

第2回 ChatGPT活用術

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ChatGPTを使うメリット

 議員活動は「調べる・考える・まとめる・伝える」という作業の連続です。その一つひとつにAIを活かすことで、大きな効果を実感することができます。まずは四つのメリットについて紹介していきましょう。

(1)時短効果:調査・要約・草案作成が格段に速い
 議員は常に時間と仕事に追われています。一般質問の準備や条例案の検討、住民要望の整理など、調べること・書くことは山ほどあります。ところが、一人でゼロから取り組むと膨大な時間を奪われてしまいます。
 ですが、ChatGPTを使えば大幅に調査時間や作業時間を短縮できます。例えば、数十頁に及ぶ報告書を読み解くのに数時間かかっていたものが、AIにかければ数十秒で要点が抽出されます。また、「このテーマで5分間の質問原稿の骨子を」と依頼すれば、たたき台がすぐに生成されます。そこから肉付けや修正を行えばよく、最初から原稿をひねり出す労力は不要です。

(2)アイデア出し:住民要望への解決策や政策提言の案を出してくれる
 議員活動をしていると、住民から「この課題をどうにかできないか」、「良いアイデアはないか」と意見を求められることがあります。経験豊かな議員や自分の得意な分野であればすぐに解決策や案が出てきますが、知見のない分野についてのアイデアを求められることも珍しくありません。このような場合にChatGPTにアイデアを求めることで、その場での議論の幅が広がったり、政策提言の幅を広げることができます。
 実際に課題解決に取り組んだり、政策提言をする場合には精緻な調査が必要ですが、「知見のない分野について、とりあえず概略を把握したい」、「ざっくりアイデアを出したい」、「多くの案の中から絞り込みたい」といった場合に便利です。
 ChatGPTは、こうした漠然とした考えを「言語化」するのが得意です。情報の断片を入力すれば、論点ごとに整理してくれたり、文章の形にまとめてくれたりします。

(3)広報強化:SNS発信や活動報告の作成をサポート
 近年、議員にとって「情報発信力」は住民との信頼関係を築く上で欠かせないものになっています。しかし、日常の出来事をSNSで報告したり、活動報告を定期的に発行したりするのは、意外に大きな負担です。「何を書けばいいか思いつかない」、「文章を整えるのに時間がかかる」と悩む方も多いでしょう。
 SNS発信や活動報告は、ChatGPTを使えば作成の労力を大幅に減らせます。例えば、「防災訓練に参加した」という事実と写真を渡せば、「昨日の防災訓練では、多くの住民の皆さんとともに災害に備える大切さを確認しました」といった文章を瞬時に作成してくれます。もちろん、最後に議員自身の言葉で修正・補足することは必要ですが、文章の土台があれば格段にスムーズに仕上げられるのです。
結果として、SNS更新の頻度を高めたり、活動報告を継続的に発行したりすることが容易になります。

(4)心理的負担軽減:ゼロから書くストレスを軽くしてくれる
 議員活動で意外と精神的に負担になるのが、「原稿を書くこと」です。議会質問にしても、住民への返信にしても、真っ白な画面を前にして最初の一文が出てこない……という経験は誰にでもあるでしょう。この「ゼロから書くストレス」は、想像以上に大きなエネルギーを奪います。
 ChatGPTを使えば、この壁を簡単に乗り越えられます。とりあえずAIに下書きを出してもらい、それを自分の言葉で修正すればよいのです。「たたき台がある」だけで心理的負担は大幅に軽減され、執筆作業が一気に楽になります。
 このようにChatGPTを活用することで、議員は「時間を節約し」、「考えを整理し」、「情報発信を強化し」、「執筆ストレスを減らす」ことができます。これは単なる効率化にとどまらず、議員が本来の役割である「政策判断」、「住民対話」、「地域の未来づくり」により多くの力を注ぐための基盤となります。つまり、ChatGPTは議員にとって「働き方を変える力」を持ったパートナーなのです。

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