2025.09.10 仕事術
第32回 どうする議長②
市民からの提案も政策形成プロセスに反映
政策研究審議会の基本的な流れは、議会側が諮問事項を設定し、それに対して審議会で複数回の議論を経て答申をいただくという形式です。諮問事項については、市民からの提案も受け入れる制度としています。残念ながら実現はしていませんが、これまで市民から諮問事項の提案もいただきました。2017年4月には、「住みたいまち所沢─人口減少時代を見据えて─」をテーマに市民提案を募集し、2件の提案がありました。
いただいた提案は、所沢市議会政策研究審議会条例2条1項に規定される議長の諮問項目として、実際に政策研究審議会へ諮問されます。これは、答申や提言を議会活動に生かしていくことを目的に行うものです。しかしながら、審査の結果、見送りとなりました。提案タイトルと、見送りとした理由については、下記のとおりです。
出典:所沢市ホームページ「市民の皆さまから政策提案を募集しました」
政策研究審議会のこれまでの実績については、所沢市ホームページ(https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/shigikai/gikaikaikaku/daigakutoukenkyukikantonorenkei/seisakusingikai.html)をご覧ください。
制度発足以来、おおむねコンスタントに毎年諮問を行っています。諮問項目について、やはり多いのは、議会の制度に関する項目です。諮問項目については、審議会委員の専門とは関係しない項目もあります。この点は悩ましい部分もあります。実際はいずれの審議会委員も守備範囲が広いため、適切な答申をいただいていますし、専門家の意見は別途頂戴し、その内容も含めて審議会で議論いただくことで対応できます。いずれにせよ、所沢市に所在する大学・大学校と市議会との関係性を強固にするという目的は果たしているといえるでしょう。
所沢市議会の政策研究審議会については、そもそも地元あるいは周辺に連携相手にふさわしい大学等や、議会や議会事務局に一定以上の余力がないとなかなかお勧めできない制度ですが、議会は常設型附属機関の設置もできるという事例として紹介しました。
