2025.07.10 コンプライアンス
第14回 女性職員へのハラスメント行為による議員辞職
A県B市の女性職員へのセクシュアル・ハラスメント
今回の事案は、A県B市のC議員が、20代職員に対してセクシュアル・ハラスメント(以下「セクハラ」という)を行った事案です。C議員は、副議長を務めていた2024年5月頃に、20代職員に電話番号やLINEの交換を求めたり、個室に連れ出してプライベートな質問をする、食事に誘うなどの行為をしていました。これらの行為を受けた女性職員は、C議員が近くを通るだけで恐怖を感じるようになり、上司に相談したことで事態が発覚しました。
(1)本事案の概要
A県B市議会のC議員は、副議長を務めていた2024年5月頃、職務中の20代の女性職員と知り合い、立ち話をした後、「ゆっくり話がしたい」と庁舎内の個室に連れ出し、30分ほど二人きりで会話をしていました。その際、プライベートな質問や容姿に関する話題が出され、「今度、二人でご飯に行きたい」という理由でLINEを交換。この夜に「今度、食事ができるといいですね」というLINEを送信しています。
その後もC議員が近くを通るたびに手を振るなどをしたため、女性職員が恐怖を感じるようになり、C議員を見つけたら身を隠すなど業務に支障を来すようになりました。
このような行為を見かけた上司が相談に乗ったところ、C議員によるハラスメントの事案が発覚し、2025年4月に人事課に相談。2026年6月2日にB市長名で改善を求める文書をB市議会議長宛に提出しました。
この申入れを受け、C議員は「私の不徳の致すところ。相手に謝罪する機会が欲しかった」とおおむね事実を認め、6月4日に「自分なりの責任の取り方を考えた」として辞職願を提出。6月16日付けで議員辞職しました。
なお、C議員は3年ほど前に組合議員を務めた際にも、同僚の女性議員に対して「手相を見る」と称して手を触ったり、肩をもんだりしたことが問題となり、謝罪しています。ほかにもハラスメントが疑われる事案が複数あったことから、恒常的にハラスメント行為を行っていた疑いを持たれています。
