2025.06.25 政務活動費
第13回 携帯電話に係る経費の支出
そうした場合、携帯電話の使用料又は携帯電話の端末本体の価格に対し、政務活動に資したとして支出ができる割合はどの程度かを勘案するに、広島高判平成29年3月30日において、議会活動の基礎となる調査研究活動と合理的関連性を有する利用のほか、純然たる私的利用や議員個人としての政治活動に関する利用が想定されるものであり、議員が自宅で使用する電話等の料金が使途基準に適合しないとされる割合は、ある程度控えめに算定することが相当であり、50%とすることが相当であると判示し、政務活動と議員の個人としての私的利用を勘案し支出割合を導き出している。
【広島高判平成29年3月30日】
議員が自宅で使用する電話、ファクシミリ及び携帯電話に係る料金については、観念的には、議会活動の基礎となる調査研究活動と合理的関連性を有する利用のほか、純然たる私的利用や議員個人としての政治活動に関する利用が想定されるものである。そして、議会活動の基礎となる調査研究活動と合理的関連性を有しない電話等の利用がどの程度であるかについては、本件における不当利得返還請求権の発生要件であり、議員ごとに異なり得るものであるから、本来、使途基準に適合しないことについての主張、立証責任を負う1審原告において、議員ごとの具体的な主張、立証が必要というべきところ、本件においては、こうした主張、立証はない。それにもかかわらず、全ての議員に共通する一律の割合として、純然たる私的利用や議員個人の政治活動に関する利用がより多いと認めることは相当ではないから、議員が自宅で使用する電話等の料金が使途基準に適合しないとされる割合は、ある程度控えめに算定することが相当であり、50%とすることが相当である。
