2025.05.26
第25回 アスベスト(石綿)の被害に遭ったらどうすればよいか
4 アスベスト被害救済制度の概要
労災補償の対象とならない被害者や、時効により労災による遺族補償給付を受給できない遺族は、アスベストを原因とする指定疾病(中皮腫、肺がん、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺又は呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚)にかかった者又はかかって死亡した者の遺族と独立行政法人環境再生保全機構から認定を受けた場合は、同機構の運営する石綿健康被害救済基金から、以下のような救済給付及び特別遺族給付金を受けることができる。
(1)救済給付
ア 指定疾病で療養中の者への給付
イ 指定疾病で療養中の者が救済制度で認定後に亡くなった場合の給付
ウ 救済制度に申請する前に指定疾病により亡くなった場合の給付(疾病が中皮腫・石綿による肺がんの場合)
エ 救済制度に申請する前に指定疾病により亡くなった場合の給付(疾病が著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚の場合)
(2)特別遺族給付金
なお、令和4年(2022年)6月の法改正により、特別遺族給付金の従前の請求期限(令和4年3月27日)が10年間延長された。また、その支給対象も拡大され、従前は平成28年(2016年)3月26日までに亡くなった労働者の遺族が対象であったところ、令和8年(2026年)3月26日までに亡くなった労働者の遺族も対象となった。