2025.04.10 政務活動費
第12回 政務活動に伴うタクシー代支出の是非
明治大学政治経済学部講師/株式会社廣瀬行政研究所代表取締役 廣瀬和彦
政務活動に伴い支出される交通費であるタクシー代について、多くの判例が示されてきたが、裁判における立証により判決が大きく変わることが多い。当然、タクシーに係る領収書は、収支報告書とともに証拠書類としての提出が義務付けられているが、その支出目的や内容についての立証は、各議会における手引等の規定の仕方により異なる。
そのような状況の中で、タクシーの利用に係る判例として、広島高岡山支判平成29年3月30日がある。この判例は、議員らが、新幹線を利用して移動後、市役所までタクシーを使用し、新たな雨水流出抑制施設整備促進事業についての説明を受けるなどした後、同市内のホテルに宿泊、翌日、タクシーで同市内に存する同市広域防災センターを見学して職員から説明を受けるなどし、再び新幹線に乗るために駅までタクシーを使用した事案である。
この事案では、視察の日程上、宿泊の必要性がなかったとして、宿泊費は使途基準に適合しないとして認められなかったが、タクシー代は全額認容された。
つづきは、ログイン後に
『議員NAVI』は会員制サービスです。おためし記事の続きはログインしてご覧ください。記事やサイト内のすべてのサービスを利用するためには、会員登録(有料)が必要となります。くわしいご案内は、下記の"『議員NAVI』サービスの詳細を見る"をご覧ください。