2025.04.10 政務活動費
第12回 政務活動に伴うタクシー代支出の是非
また、大阪高判平成30年3月27日では、1日当たり1万円を超えるジャンボタクシー代の支出について争われた。原告側は、旅費は最も経済的な経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算すべきところ、調査・要請活動の際のジャンボタクシー代については、これを利用しなくとも、その都度、支払や予約をすることで十分対応できたものである旨を主張した。しかし、大阪高裁は、手引において、調査研究活動及び要請陳情等活動に係る交通費について、「タクシーの利用は、合理的と判断される場合に認める」としているところ、ジャンボタクシーを利用した理由として、議員以外にも視察先の関係者等が行動を共にし、一緒に移動することが想定されていた上、各視察先の訪問時間を厳守しなければならなかったこと、そして、要請活動については、政府要人を訪問先とすることから訪問時間が特に厳守すべきもので、臨機応変かつ迅速に移動しなければならなかったためであると認められることから、その利用は合理的であったものと認められ、ジャンボタクシー代を政務活動費から支出することは適法であるとした。
【大阪高判平成30年3月27日】
原告らは、旅費は最も経済的な経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算すべきところ、本件県外調査及び本件要請活動の際のジャンボタクシー代については、これを利用しなくとも、その都度、支払や予約をすることで十分対応できたものであるから、1日当たり1万円を超える支出は違法である旨主張する。
しかしながら、本件手引は、調査研究活動及び要請陳情等活動に係る交通費について、「タクシーの利用は、合理的と判断される場合に認める。」としているところ(乙1・7〜8頁)、弁論の全趣旨によれば、相手方自民党がジャンボタクシーを利用したのは、本件県外調査については、相手方自民党に所属する議員以外にも視察先の関係者等が行動を共にし、一緒に移動することが想定されていた上、各視察先の訪問時間を厳守しなければならなかったためであり、また、本件要請活動については、政府要人を訪問先とすることから訪問時間が特に厳守すべきもので、臨機応変かつ迅速に移動しなければならなかったためであると認められる。そうすると、その利用は合理的であったものと認められるから、これに係る代金に政務活動費を支出することは適法である。