2025.03.10 コンプライアンス
第10回 初当選後3か月でセクシュアル・ハラスメントにより議員辞職
新人議員のうちにアンコンシャス・バイアスを自覚することでハラスメントを防ぐ
新人議員は、特に行政職員から当選前と全く異なる扱いを受けます。今でも議員のことを「先生」と呼ぶ慣習のある自治体が圧倒的に多数です。それまで一般的な生活を過ごしてきた人が急に「先生」と呼ばれ特別扱いを受けると、自己認識が誤った方向に肥大化し、「自分は偉いんだ」というアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)を持ってしまいます。
「議員は偉い」というアンコンシャス・バイアスを持つと、「議員だから、これくらいしてもよいだろう」という自分の立ち居振る舞いの甘さにつながり、その甘さが今回のようなセクハラ事案に発展していきます。
このようなアンコンシャス・バイアスの肥大化を防ぐためには、当選直後のハラスメント研修が有効です。立場が変わり、自分の考え方が変わる前に「議員だからこそ、規範意識が求められる」という意識を持つことで、高い規範意識を保つことができます。このように新人議員の不祥事が続いてしまった場合には、本人だけでなく議会全体で認識を改める研修を開催することが再発防止につながります。
ハラスメントチェッカーで自分の「アンコンシャス・バイアス」を自覚する
最近は「自分の言動が適切かどうかをチェックしたい」という要望が増えています。それに応えるために、ポリライオンではハラスメントかどうかをAIがチェックする「AIハラスメントチェッカー」を提供しています。
このAIハラスメントチェッカーは、多くの方が利用しているLINEを使用しているので、簡単に自分の言動をチェックできるのが特徴です。
AIハラスメントチェッカーは現在開発中の実証実験段階なので、どなたでも無料でご利用いただけます。ぜひセルフチェックや議会内・会派内での勉強会などにご活用ください。
参考:一般社団法人ポリライオン「AIハラスメントチェッカー」 https://www.polilion.com/checker
今回は、A県B市議会のC議員のハラスメントによる辞職と、B市議会の対応について解説しました。不祥事が多発する場合、組織全体が「不祥事に慣れてしまう」、「不祥事が露見しないように隠蔽する」など、誤った方向に進むリスクが高くなります。発生した事案と真摯に向き合い、行為者個人だけの問題ではなく組織全体の問題と捉えて組織改革に着手することが肝要です。議員個人のメンタルケアだけでなく、議会の組織風土改革についてもサポートしてまいります。ぜひ、お気軽にご相談ください。
◉ポリライオンが提供するプログラムについて
https://gnv-jg.d1-law.com/login/article/20240527/68786/7/