2025.02.10 コンプライアンス
第9回 A区議会におけるハラスメント防止対策(アンケート調査結果)を解説
Q 【職員対象】自由記入欄の内容(抜粋)
・本来、地方自治法の調査権については「議会」や「委員会」にあるものであって、「議員」に固有の権利はない。そこを勘違いして資料請求を行う議員が多すぎる。
・議員によるハラスメントを含め、議会への対応が大きな負担となっていることが、区の管理職への昇任意欲の抑制にもつながっていると個人的には感じている。今回のアンケートとは趣旨が異なるかもしれないが、例年実施している議員からの過剰な資料請求(制度が始まってから10年分など)への対応や曖昧な質問通告(「〜について」といった一言のみの質問通告)に対する聞き取りに係る時間が、管理職も含めた大きな負担になっていると思う。
・ガイドラインを整備し、実際の会話の中で「それはハラスメントである」と指摘できる環境が必要である。
・ハラスメント防止に関する指針等がないと、議員の方も何がハラスメントに当たるかを認識できていないので、指針等の作成が必要です。また、ハラスメントがあった場合やそれに近い場合があったときに、職員及び議員も相談する相談窓口が必要です。
・この内容をハラスメントと声を上げていいものか、誰に相談するのか、相談を受けた側がハラスメントとして対応するのか、加害者に対してどう伝えるのか等、自分の職場を考えても難しくてなかなか答えが見いだせないです。しっかりとした体制をつくっておくことが大事だと思います。
・ハラスメント行為の事例を回答しましたが、おそらく議員や元議員本人は、自分の行動に問題があるとは思っていないように感じます。
・議員だからと、立場が上であるかのように話をしてくる方もいて、考えを通そうとするのは違うと思います。
Q 【議員対象】自由記入欄の内容(抜粋)
・高齢の議員から、時代にそぐわない発言がありました。具体的には「子どもが産まれて体型が変わったか?」といった個人の身体に関する不適切な質問が行われました。
・議会の延長の話し合いの際、保育園のお迎えについてのことをなじるような発言がありました。
・ハラスメントについてお互いが理解し、また気軽に相談できる窓口があるとよいと思います。議会の中は、複雑な関係もあるため、直接言いたくても言えないことも多いため、間接的に伝える手段として窓口や第三者がいるとよいと思います。
・この回答を記入しながらも、当時の恐怖や憤りを思い出し、PTSD症状が出現します。
・委員会視察後の懇親会において、酩酊(めいてい)状態の議員が他の議員や事務局職員に対し、キスを強要する不適切な行為がありました。これをやめるよう注意したところ、当該議員は感情的になり、強い反応を示しました。