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2024.12.10 コンプライアンス

第8回 ハラスメント防止条例に基づく加害議員の氏名公表

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 アンコンシャス・バイアスを自覚するにはケーススタディが効果的 

 政治分野に携わる人間は、多かれ少なかれ「社会の役に立ちたい」という社会的正義感を持っています。この正義感が正しく作用しているうちは問題ありませんが、行き過ぎた正義感から他人を攻撃することは問題です。この「正義感」の正体は「○○であるべき」という個人の価値観が背景にあります。今回は「議員は公約を守るべき」という強い価値観が誤って発露した結果、ハラスメント認定につながってしまいました。批判とハラスメントの境界線がどこにあるのかは明確にはできませんが、自分の性格を把握し、ハラスメントを起こさないためにはどうすべきかを理解しておくことは、議会人として必要なことであると考えます。
 本来であれば、研修を行うことでハラスメントは予防できます。しかし、当事者になった途端に研修内容が頭から抜け落ちたり、「ソーシャル・ジャスティス・ウォーリア」の状態に陥ったりします。だからこそ、研修は一度きりではなく継続的に反復して行う必要があるのです。
 ハラスメント対策に最も有効なのがケーススタディです。「公約違反の議員とどう接するか」、「どこまでが批判で、どこまでがハラスメントか」は、一つひとつの言動についてそれぞれの考えを示して、自分と他人の考え方の違いを理解することが重要です。特に正義感が強い議員は「自分の考えは正しい」と強く考えている傾向にあるからこそ、定期的に自分の言動に問題がないかをチェックする必要があります。

ハラスメントチェッカーで自分の「アンコンシャス・バイアス」を自覚する

 最近は「自分の言動が適切かどうかをチェックしたい」という要望が増えています。それに応えるために、ポリライオンではハラスメントかどうかをAIがチェックする「AIハラスメントチェッカー」を提供しています。
 このAIハラスメントチェッカーは、多くの方が利用しているLINEを使用しているので、簡単に自分の言動をチェックできるのが特徴です。
 AIハラスメントチェッカーは現在開発中の実証実験段階なので、どなたでも無料でご利用いただけます。ぜひセルフチェックや議会内・会派内での勉強会などにご活用ください。 

参考:一般社団法人ポリライオン「AIハラスメントチェッカー」 https://www.polilion.com/checker

 今回は、A県B村議会のC議員・D議員のハラスメント条例違反について解説しました。公約違反を批判すること自体は一見すると正しい行為ですが、行き過ぎた場合には今回のケースのようにハラスメントと認定されてしまう可能性があります。また、「ソーシャル・ジャスティス・ウォーリア」の状態になってしまうと、自分の価値観と異なる人を「社会的正義」の下に過剰に攻撃するようになります。正義感が強い人が多い政治家だからこそ、このような状態にならないように自戒する必要があります。
 多様な人材が議会に参画するようになった昨今、これまで以上に大きくなっている価値観の相違によって「ソーシャル・ジャスティス・ウォーリア」が議会内でも増えています。ハラスメントと批判の境界線を理解し、適切な議論が行われる環境構築がこれからの政治分野には求められます。政治分野のハラスメントがなくなるよう、私たちもサポートしてまいります。

◉ポリライオンが提供するプログラムについて
https://gnv-jg.d1-law.com/login/article/20240527/68786/7/

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