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2024.10.10 医療・福祉

第5回 若年性認知症支援の難しさ

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介護保険になじみにくい若年性認知症

 かくいう筆者も、高齢者支援の領域は平均以上には精通している自負がありますが、障害福祉サービスとなると心もとないのが正直なところです。
 仮に介護保険が使えた場合も、若年性認知症の方に多いニーズであるリハビリや居場所機能がうまく提供されない場合も珍しくありません。というのも、仮に定員19人のデイサービスがあるとしても、8~9割は80~90代の高齢者のためプログラムです。利用者同士の交流も同世代でないとなかなか弾まない現実もあります。若年性認知症の利用者にサービス提供した場合の加算(若年性認知症利用者受入加算)もあるにはありますが、その算定率はとても低いものです。
 一方、介護保険以外の制度も手続方法や条件が非常に複雑かつまちまちで、とても一人の専門家にカバーできうるものではありません。
 それでも、若年性認知症の方は、そうした縦割り化した分かりづらい制度を、一つひとつ手続しながらパッチワーク的に利用しなければなりません。普通の専門家にさえ困難な手続が、果たして若年性認知症の方にできうるものでしょうか。とてもできるとは思えません。

支援コーディネーターは配置されたが

 それでも、若年性認知症の方は、数的には少数派だからか、専用の制度は設けられないまま今日に至っています。
 もっとも、国の「認知症施策推進大綱」により、都道府県(一部指定都市)ごとに若年性認知症支援コーディネーターが配置され、若年性認知症の人やその家族からの相談窓口が開設されました。
 これにより、これまで案内図のなかった(複雑な制度の)袋小路に、とりあえず案内役が設置された観はあります。しかし、それでも、若年性認知症の方とその家族にとって、袋小路がなくなったわけではありません。
 それぞれに異なる縦割り化した制度やサービスの細かい条件を一つひとつクリアしなければ、支援やサービスが当事者の元に届くことはありません。

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