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2024.10.10 コンプライアンス

第6回 「議員からのハラスメントにかかるアンケート調査」結果を分析

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ハラスメント対策の第一歩は「ハラスメント研修」

 議会におけるハラスメント対策の第一歩は「知ること」です。どのような言動がハラスメントに該当するかをそもそも理解していなければ対策はできません。ハラスメント研修を受けたことがない場合には、ハラスメント研修によって「そもそもハラスメントとは何なのか」、「法的な位置付けは」、「議会や行政で行われているハラスメント対策は」などの基本を理解しておく必要があります。これからハラスメント対策を実施する場合には、まずハラスメント研修からスタートしていきましょう。

ケーススタディでハラスメントの境界線を理解する

 ハラスメントの行為者のほとんどは「自分がハラスメントをしている」という自覚がありません。そこで、ハラスメント研修では単純なインプットだけでなく、職員とのやりとりを想定したケーススタディを通して「この言動はハラスメントかどうか」、「どのような言動が適切か」を話し合います。これによりハラスメントとそうでない言動の境界線を体験的に理解することが効果的です。

職員に対する「認知バイアス」を改善するための研修が必要

 職員に対するハラスメントの主な原因は、「こうあるべきだ」という自分の中の価値観と現状のギャップにあります。これを「認知バイアス」といいます。
 例えば、「職員は議員に対して協力的であるべきだ」、「住民の代表である議員の要望には答える義務がある」という考え方をしている場合には、完全に認知バイアスがゆがんだ状況で職員と向き合っているといえるでしょう。このような価値観を持っている場合、自分だけでは「認知のゆがみ(価値観のズレ)」を矯正することが難しいため、研修と反復的なトレーニングによって徐々に直していく必要があります。

「ハラスメントチェッカー」で自分の言動をチェック

 最近は「自分の言動が適切かどうかをチェックしたい」という要望が増えています。それに応えるために、ポリライオンではハラスメントかどうかをAIがチェックする「AIハラスメントチェッカー」を開発しました。
 このAIハラスメントチェッカーは、多くの方が利用しているLINEを使用しているので、簡単に自分の言動をチェックできるのが特徴です。
 AIハラスメントチェッカーは現在開発中の実証実験段階なので、どなたでも無料でご利用いただけます。ぜひセルフチェックや議会内・会派内での勉強会などにご活用ください。

参考:一般社団法人ポリライオン「AIハラスメントチェッカー」 https://www.polilion.com/checker

 今回はA県B市の「議員からのハラスメントにかかるアンケート調査」の結果を基に、行政職員がどのようなハラスメント被害に遭っているかを解説してきました。結果から分かるように、管理職に対するハラスメントは回答者の4割が経験しており、非常に深刻な状況であることが明らかになりました。また、回答者の半数が「何もしなかった」と回答しており、ハラスメント被害に遭っても泣き寝入りするしかない状況も浮き彫りになっています。
 この問題は議員が原因であり、議会が変化しなければ状況は改善しません。まずは議員個人として知識を身につけ、会派など身近な部分にシェア、そして委員会単位での研修へと徐々に範囲を広げていき、最終的には議会としてハラスメント対策を実施することがポイントです。
 一般社団法人ポリライオンでは、唯一の政治分野のハラスメント対策に取り組む法人として、議会向けに特化したハラスメント研修を提供しています。ハラスメント対策の第一歩として研修プログラムをお探しの場合には、ぜひお気軽にご相談ください。

◉ポリライオンが提供するプログラムについて
https://gnv-jg.d1-law.com/login/article/20240527/68786/7/

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