2024.08.22 リーガルマインド
第10回 剣太14回目の命日から15回目の命日までの間
3 証人尋問の記録を前に再び
(1)奈美さんの思いを受けて
現在、英士さん・奈美さんは、同じように子どもを亡くした遺族の方々からの相談を受け、また剣太の話を通して子どもたちの命を守るための講演等を続けている。
裁判を振り返り、あの裁判、証人尋問に向き合うことがどれだけしんどいことだったか、奈美さんは、もう一度あの法廷に戻ってあの瞬間に向き合うことは到底できないと語る。そして、あのときの闘い方は、いわば馬が真っすぐしか見られないようにサイドに目隠しをされているような状態で、余計なことを聞かぬよう、見ないよう、法廷だけに集中していたという。剣太のために、絶対にこの裁判に勝たなければならない。その思いで満身創痍(そうい)で力を振り絞ったお二人にとって、あのときの自分自身に戻ることは到底できない、その重みを感じる。
しかし、奈美さんの剣太への思い、そして未来の子どもたちの命を守るという強い思いが、「私たちは剣太のことで一切諦めることはしません」との現在進行形の言い切り表現に表れている。15回目の命日を迎えて、同じ境遇の方々へのエールの言葉でもあるのかもしれない。
裁判に挑む
(2)証人尋問
再び証人尋問の記録を開き、読み込んでいる。
次回、以下の証人尋問をたどることとする。
ア 5月24日(午前・午後)第12回口頭弁論期日
① 弟:10時~主尋問、反対尋問(顧問、副顧問、市)
② 英士(父):13時40分~主尋問、反対尋問(顧問、副顧問、市)
イ 6月14日(午前)第13回口頭弁論期日
・顧問教諭:10時~主尋問
ウ 7月5日(午前)第14回口頭弁論期日
・顧問教諭:10時~反対尋問(原告、副顧問、市)、
エ 7月19日(午後)第15回口頭弁論期日
・副顧問教諭:13時10分~主尋問、反対尋問(原告、顧問、市)
オ 9月27日(午後)第16回口頭弁論期日(※7月26日から変更)
・市(病院):14時~主尋問、反対尋問(原告、顧問、副顧問)
カ 12月20日第17回最終口頭弁論期日
・奈美(母)意見陳述