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2024.07.10 仕事術

第3回 議長が行ったセクシュアル・ハラスメントによる辞職勧告決議

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アンコンシャス・バイアスを自覚するにはケーススタディが効果的

 今回のハラスメントの原因であるアンコンシャス・バイアスについては、自分が「当たり前」だと思っている価値観が時代の流れと乖離(かいり)していることを理解する必要があります。ですから一般論ではなく、「自分の価値観がどのように乖離しているのか」を具体的に知る必要があります。
 このことから、座学的な研修ではなく、ケーススタディを伴う研修を行うことがポイントです。

(1)議員が持つアンコンシャス・バイアスを理解した研修が必要
 アンコンシャス・バイアスは世代や属性によって様々ですが、「議員」という属性だけが持っているアンコンシャス・バイアスも存在します。例えば、「定例会前には行政職員が議員控室まで挨拶に来るのは当然だ」と思っていませんか。若しくは、行政職員が庁舎内で自分に挨拶しなかった場合、「なぜ私に挨拶しないんだ?」といぶかしんだ経験はありませんか。これらは議員だけが持つアンコンシャス・バイアスです。
 このように、一般的なアンコンシャス・バイアスに加えて議員だけが持つアンコンシャス・バイアスを理解し、「この言動がアンコンシャス・バイアスなのか」と自分ごととして理解しなければ、本質的にハラスメントをなくすことはできません。この点を踏まえて研修内容を決定することが重要です。

(2)ケーススタディで同僚議員との適切な関わり方を身につける
 議員のアンコンシャス・バイアスを取り除くためには、実際のやりとりをケーススタディとして取り上げ、その関わり方が適切かを実践的に体験する必要があります。
 効果的なのは、他の議員に対するいくつかの振る舞いを想定し、それぞれのケースについて議員同士で話し合い、どのように関わるべきかを考えていく研修です。自分の考えがアンコンシャス・バイアスに該当するかをその場でチェックできるので、当事者意識を持たせることができ、座学だけの研修よりも高い学習効果を得られます。
 最近は「自分の言動が適切かどうかをチェックしたい」という要望が増えています。それに応えるために、ポリライオンではハラスメントかどうかをAIがチェックする「AIハラスメントチェッカー」を開発しました。
 このAIハラスメントチェッカーは、多くの方が利用しているLINEを使用しているので、簡単に自分の言動をチェックできるのが特徴です。
 AIハラスメントチェッカーは現在開発中の実証実験段階なので、どなたでも無料でご利用いただけます。ぜひセルフチェックや議会内・会派内での勉強会などにご活用ください。

参考:一般社団法人ポリライオン「AIハラスメントチェッカー」 https://www.polilion.com/checker

 今回はA県B市議会での議長による議員へのハラスメント事例について解説しました。
 議員は市民に選ばれ、そのまちの意思決定を行う存在です。議員には高い倫理観が求められるため、自らのアンコンシャス・バイアスを理解し、適切な立ち居振る舞いをしなければなりません。
 これからの地方議員には、ハラスメントに対する知識やハラスメントをしないための言動を身につけて、より良いまちづくりを行うことが求められます。政治分野のハラスメントがなくなるよう、私たちもサポートしてまいります。
 

◉ポリライオンが提供するプログラムについて
https://gnv-jg.d1-law.com/login/article/20240527/68786/7/

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