2024.02.13
第9回 公営住宅の入居資格と家賃は
弁護士 上村遥奈
公営住宅の入居資格と家賃は。
昭和26年に制定された公営住宅法は、住宅に困窮する低所得者へ低廉な家賃の住宅を供給するという公的住宅制度の根幹を担ってきたが、社会情勢の変化に応じ、数次の改正及び通達による制度運用の変更が幾度も行われている。現在の制度概要は以下のとおりである。
1 入居者資格
入居者は、少なくとも次の要件を満たす者でなければならない(公営住宅法(以下「法」という)23条柱書)。なお、従前は単身での入居は原則不可とする同居親族要件が課されていたが、平成23年の法改正により廃止された(1)。
① 収入が以下の金額を超えないこと。
ア…入居者の心身の状況又は世帯構成、区域内の住宅事情その他の事情を勘案し、特に居住の安定を図る必要がある場合として条例で定める場合:月収25万9千円を上限として、条例で設定される額(法23条1号イ、公営住宅法施行令(以下「令」という)6条1項)
イ…それ以外の場合:月収25万9千円を上限として、政令で定める金額(15万8千円、収入分位25%(2))を参酌して条例で設定される額(法23条1号ロ、令6条2項)
② 現に住宅に困窮していることが明らかな者であること(法23条2号)。
2 収入の算定方法
収入とは、実際の収入金額ではなく、入居者及び同居者の過去1年間における所得金額から、次の額を控除した額を12で除した額をいう(令1条3号)。
① 入居者又は同居者に給与所得又は公的年金等に係る雑所得を有する者がある場合:1人につき10万円(その者の上記給与所得及び雑所得の合計額が10万円未満の場合は、当該合計額)
② 同居者又は同一生計配偶者若しくは扶養親族で入居者及び同居者以外のもの:1人につき38万円
③ 同一生計配偶者が70歳以上の者である場合又は老人扶養親族がいる場合:1人につき10万円
④ 扶養親族が16歳以上23歳未満の者である場合:1人につき25万円
⑤ 入居者又は②に規定する者に障害者がある場合:1人につき27万円(特別障害者である場合は40万円)
⑥ 入居者又は同居者に寡婦がある場合:1人につき27万円(その者の所得金額から①の金額を控除した残額が27万円未満である場合は、当該残額)
⑦ 入居者又は同居者がひとり親である場合:1人につき35万円(その者の所得金額から①の金額を控除した残額が35万円未満である場合は、当該残額)