2024.01.12 コンプライアンス
第91回 オンラインによる質問・質疑の是非/招集された会議の告示変更の是非
しかし、実務上、台風の上陸や災害・感染症等の発生により招集告示をした後の会議に議員が応招できない事態が起こり得ることが以前から課題となっていた。実務上は令和4年12月16日施行の法改正以前においても、各自治体の判断で招集告示の変更を行っていたことが見受けられた。
◯議会招集期日の変更(行政実例昭和26.9.10)
問 長が議会招集の告示をした後は、その招集期日は、原則として変更できず、例外的に、客観的に必要やむを得ないと認められる理由がある場合に限り、変更することができると解してよいか。
答 長が招集期日を変更することはできない。
令和4年12月16日施行の法改正により法101条8項が新設され、会議の招集告示をした場合においても、招集日に会議を開くことが災害その他やむを得ない事由により困難であると認めるときは、招集告示をした者は、招集日を変更することが可能となった。ただし、招集日を変更する場合には、変更後の招集日及び招集日を変更した理由を告示することが義務付けられていることに留意が必要である。
ここで、災害その他やむを得ない事由とはどのような場合が想定されるかといえば、①震災、風水害等の天災による災害、②火災等の人為的な災害、③新型コロナウイルス感染症等の疾病、④その他の事由による交通の途絶等が考えられる。なお、衆議院における解散総選挙を理由として招集日の変更を行うことは法101条8項のやむを得ない事由に該当しないと考えられ、招集日の変更を行うことはできないと考えられる。
これは長の恣意的な招集日の変更を防ぐ目的があるといえる。
【法101条】
⑧ 前項の規定による招集の告示をした後に当該招集に係る開会の日に会議を開くことが災害その他やむを得ない事由により困難であると認めるときは、当該告示をした者は、当該招集に係る開会の日の変更をすることができる。この場合においては、変更後の開会の日及び変更の理由を告示しなければならない。