2024.01.12 仕事術
第14回 どうする定数③
元所沢市議会議員 木田 弥
いよいよ、所沢市議会の附属機関として「所沢市議会議員定数のあり方に関する審議会」(以下「審議会」といいます)を設置して、審議会が始まりました。
では、審議会でどのような審議が行われたのかを、順を追って説明します(1)。10年以上も前のことなので記憶が曖昧な部分もあることから、基本は審議会会議記録を参照します。会議記録を読むと当時の記憶がよみがえってきて、いまだに心がざわつきます。
審議委員の構成ですが、会長は廣瀬克哉法政大学教授。会議記録には委員名を明記しないこととなっており、会長以外は誰の発言か判然としない部分もあるので、委員名はイニシャルで表記します。
委員は、会長を除き4人。学識経験者として地方議会についての知見が豊富な大学教授のA委員。市民代表として、労働団体からB委員。体育協会からC委員。そして、自薦市民のD委員。
D委員は「介護の仕事をしています。以前は都内の会社に勤めていたのですが、不況の波を受けまして、派遣社員となりました。その後、狭山市や入間市で働いておりましたが、2008年に派遣切りがあり、自分も体験しました。20代前半は選挙に行きませんでしたが、色々と痛い目に遭いましたので、選挙だけは行くようになりました」という背景もあり、回を重ねるごとに議員報酬等について厳しい意見が増えていきました。
審議会の運営は、議会運営委員会が担当委員会となって進めました。議会運営委員会には議長、副議長も参加しますので、1回目は議会運営委員として、2回目以降は副議長として、審議会を担当することになりました。
最初は比較的穏やかに議論が進んだのだが
平成24年5月14日に行われた第1回の審議会では、これまでの議員定数の推移についての資料に対してある委員から「平成2年において減数条例が否決され、同年減数条例ということで、40人から36人にした条例が賛成多数で可決されています。……当時の理由は何だったのでしょうか」という問いに対して、審議会を運営していた議会運営委員会の委員ではない、傍聴していた長老議員が指名を受けて回答しました。審議会の場にいて、平成2年当時も議員であったのは、その長老議員だけだったからです。
「当時の市長は、会派は結局同じことを言うのだから、会派数だけで人数でよいのではないかという暴論がありまして、何の根拠もありませんでしたが、これについて議会は反発して最終的には36人となりましたが、当時は根拠など何もありませんでした。法定数だけなので、市長がそこまで言うのであれば、有権者の気分もあるし、これぐらいは減らさないといけないのではないかということで、根拠はありませんでした。ですから、根拠について検討していただくのは今回が初めてということになると思います」と回答しました。この話は私も初めて聞く話だったので、鮮明に覚えています。
おおむね第1回目は、審議委員同士が初対面ということもあり、配付資料の説明と、それに対する質疑応答に終始しました。
また、議員定数に関する正副委員長ヒアリング及び所沢市議会議員定数に関する議員アンケートを実施すること、埼玉県内の議員定数及び常任委員会の状況について提出すること、参考資料として所沢市の直近の選挙である平成23年の選挙公報についても次回までに準備することが決まりました。