2024.01.12 議員提案条例
第1回 はじめに~茨城県の議会改革度ランキングと議員提案条例の取組み~
4 本連載の考察・検討のスキーム
以上のような問題意識により次回以降でその調査結果や考察を加えていくこととしているが、そのアプローチは図7に示すようなものとなっている。
まずは、全国の議員提案条例の運用実態を掘り下げるための議長の認識等を調査することとした。この中では、併せて条例制定のあり方についても試案を提案して議長の意向や考え方を確認することとした。それにより全国的に議員提案条例に対する認識のベースを確認したいと考えたのである。
それを踏まえた上で、県議会も交えた形で、当ゼミナールによる二元代表制のシンポジウムを開催して、関係者によりこの問題を主として議論することも有意義と考えたので、それを実行に移した。
さらに、茨城県の最近の条例、特に、先進的かつ特徴的な条例で議員提案条例と知事提案条例の双方のプロセスの条例を取り上げて、議員提案でなければできないのかどうかを検証していき、今後の議員提案条例、もっといえば条例制定のあり方の方向性を打ち出すこととした。
図7 本連載の考察のスキーム
(1) 当ゼミ学生がゼミナール活動の一環として、一定のつながりのある社会人300人程度を対象に2022年10月に紙面によるアンケート調査により実施したものである。
(2) 議員提案条例のあり方に関しての参考文献として、差し当たって次のようなものが参考になる。
・礒崎初仁『自治体議員の政策づくり入門』(イマジン出版、2017年)
・牧瀬稔『議員が提案する政策条例のポイント』(東京法令出版、2008年)
・津軽石昭彦『「生きた」議員提案条例をつくろう』(第一法規、2020年) など
(3) 総務省編「地方自治月報」56~60号における「議員提案による条例(議会・議員に関するものを除く)に関する調」から調査分析したもの。
(4) 早稲田大学マニフェスト研究所議会改革調査部会「議会改革度調査2022」(2023年3月22日)ほか。
(5) 茨城県議会資料。
(6) 東京新聞茨城版(2023年5月11日)、朝日新聞茨城版(2023年5月26日)など。