2023.09.25 コンプライアンス
第90回 案件が付託された委員会委員長の本会議での討論の是非/決算議案に対する質疑の是非
【市会議規則118条】
委員長が、委員として発言しようとするときは、委員席に着き発言し、発言が終った後、委員長席に復さなければならない。ただし、討論をしたときは、その議題の表決が終るまでは、委員長席に復することができない。
このように委員長が当該委員会に付託された案件に対して委員として発言を行わず、表決にも加わらなかった場合、委員長の案件についての考えは明らかとされないこととなる。
この場合、本問におけるように委員長が付託された決算議案について議長に委員会報告書を提出し、それに伴い本会議で当該案件が議題に供され、委員長報告がなされた後、質疑がされた場合、討論に移ることとなる。
この討論において、付託案件に対し委員長が討論をすることは法的に可能である。 案件が付託された委員会の委員長とはいえ、当該案件に対し委員長ではなく議員として賛否の考えは当然にあるし、また討論に続く表決においては委員長も議員として賛否を表明する義務がある。
そうすると、賛否を表明する討論において、案件が付託された委員会の委員長だから、そして委員長は中立公平を旨とする職務であるからという理由で、本会議での討論を行わしめないと考えるのは適当でない。
また、委員会での意思決定に反する委員長である議員の討論は適切でないとの考えもあるが、付託された委員会の意思に当該委員会の委員長が拘束される必要はないので、一議員として案件に対する討論、表決を行うことは問題ないと考える。