2023.05.25 コンプライアンス
第89回 地方議会の役割及び議員の職務等の明確化等に関する地方自治法の改正/初議会における執行機関に対する出席要求
これを受け、令和5年4月26日に国会において地方自治法の一部改正が成立し、令和5年5月8日に公布・施行されることとなった。
その改正内容は、地方自治法(以下「法」という)89条に3項目にわたって規定されている。同条1項で、普通地方公共団体の議会は、その議事機関として、当該普通地方公共団体の住民が選挙した議員をもって組織されるものとすること、同条2項で、普通地方公共団体の議会は、この法律の定めるところにより当該普通地方公共団体の重要な意思決定に関する事件を議決し、並びにこの法律に定める検査及び調査その他の権限を行使するものとすること、同条3項で、同条2項の権限の適切な行使に資するため、普通地方公共団体の議会の議員は、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならないものとすること、と定められた。
【法89条】
① 普通地方公共団体に、その議事機関として、当該普通地方共団体の住民が選挙した議員をもつて組織される議会を置く。
② 普通地方公共団体の議会は、この法律の定めるところにより当該普通地方公共団体の重要な意思決定に関する事件を議決し、並びにこの法律に定める検査及び調査その他の権限を行使する。
③ 前項に規定する議会の権限の適切な行使に資するため、普通地方公共団体の議会の議員は、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない。
なお、この法改正に伴うものは、議会の役割や責任、議員の職務等の重要性が改めて認識されるよう、全ての議会や議員に共通する一般的な事項を規定するものであり、新たな権限や義務を定めるものではないこととされている。
この法改正により、今まで地方自治法上明らかとされていなかった議会の役割及び議員の職務等が明確になり、議員自身だけでなく住民に対してもその役割等の理解がより深まるものになると考えられる。