2023.05.12 仕事術
第1回 どうする会派①
新人議員にはなかなか教えてくれない議会活動の心得
これから数回にわたって、いくつかのテーマについて、議会活動における新人議員の心得について、私の市議会議員15年余の経験をもとに、最初から知っていればもう少し上手に立ち回れたのに、ということを中心にお伝えしたいと思います。
地方議会といっても、都道府県議会から村議会まで、議会ごとにそれぞれ流儀も違うので、これから説明する心得が必ずしも皆さんの議会にぴったりと当てはまるわけではありません。ただ、地方議会の骨格を構成する地方自治法第6章「議会」では、議会の規模に関係なく、共通した議会と議員のルールを定めています。ですから、規模にかかわらず基本的な部分は共通しています。
私も現職を離れて4年たちましたので、現場感が鈍っているところがあります。ただ、現職だと赤裸々に生々しく実態を書くことがはばかられるので、その点は有利かもしれません。
私は、党派には所属しない議員として、また、特定の団体の支持を得ることなく、議長や副議長、監査委員、農業委員、2回の特別委員会委員長などを務めました。また、議会改革にも意欲的に取り組み、市議会としては、日本経済新聞や早稲田大学マニフェスト研究所の改革度ベストテンにも何度か選ばれました。そのおかげもあって、他の市町村議会の皆さんが頻繁に視察に来られるなど、他市町村議会の事情にも通じています。私の例が示すように、事と次第によっては、政党に所属しない、あるいは小会派所属であっても、議会内の役職を得ることが可能です。「役職なんて興味ない」、それもいいでしょう。ただ、実際には何らかの役職に就くことで、有権者の負託に応えやすくなるのも一面の真実です。
1人会派も1年経験しました。議会によっては、所属議員が1人しかいない会派は、会派とみなさず、会派に属さない議員という扱いの議会もあるようです。我が市議会は、1人会派も会派とみなしてくれる議会でした。
そのため、政党所属でない議員の方には特に頑張ってほしいという思いもあります。もちろん、政党所属の議員の方にとっても心得は大事です。いくら政党所属の議員であっても、会派の先輩が手取り足取り教えてくれるとは限らないからです。先輩たちも、苦労して身につけた心得をそうやすやすと新人議員に教えたくない、という心理が働くからです。