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2022.06.27 政務活動費

第4回 政務活動費による研修費の支出

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2 懇親会への支出

 政務活動を行う上で出席者との懇談を図り、その情報を県政や市政に活かすということは考えられることから、懇親会費を政務活動費から支出しようと考えることがある。
 しかし、政務活動費はその原資を住民の税金としており、単なる飲食や親睦を主目的としたものである場合、政務活動費の支出の対象とすることは許されるものではない。
 その場合には、一つの目安として、会議に引き続いた懇親会であるかどうかにより判断することが考えられる。
 一般的に会議に引き続いて開催される懇親会は、名古屋高判令和2年1月15日のとおり、飲食を伴う会合であったと認められても会議と時間的・場所的に接着している場合には、会議の参加者が引き続き参加することが予定されているものであると推認され、金額も社会通念上相当な範囲内に収まっているものと認められれば、懇親会は飲食を主たる目的とするものではなく、政務活動を目的とした会合に連続して開催されたものであって会合に付随するものであるとして政務活動費としての支出が許されるものと考えるのが妥当であるといえる。

【名古屋高判令和2年1月15日】
 懇親会はその名称や会費の金額、会の状況等からして飲食を伴う会合であったと認められるが、会議と時間的・場所的に接着していることからすると、会議の参加者が引き続き参加することが予定されているものであると推認され、金額も社会通念上相当な範囲内に収まっているものと認められることなどを総合すれば、懇親会は飲食を主たる目的とするものではなく、政務活動を目的とした会合に連続して開催されたものであって会合に付随するものであると認めるのが相当である。

 これに対し、単独で開催された懇親会は、その懇親会が政務活動に資する懇親会であることを客観的に立証できなければ、飲食や懇親を主目的とした懇親会となり、名古屋高判令和2年1月15日のとおり支出することは難しいと考える。

【名古屋判令和2年1月15日】
 市政担当記者との懇親会は情報・意見交換が行われたとされているが、同交流会の具体的な目的や進行予定等を明らかにする実施要領等は証拠として提出されておらず、具体的な情報や意見交換の内容に関する議事概要等が作成されたとも認められない。それゆえ当初から議員と市政担当記者との間での親睦や飲食を主目的としたものであったと推察される。

 いずれにしろ飲食に対する住民のチェックは厳しいことから、政務活動費からの支出には十分に留意すべきである。

 

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