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2022.04.11 ICT活用・DX

第10回  オンラインを活用した住民とのコミュニケーションの可能性~東京都東村山市議会の取組み~

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オンライン議会報告会の課題

  リアルの対面式の開催ならばなかなか参加しない若い世代が、自宅から気軽に参加してくれるなど、手応えを感じている反面、課題もある。今回、ふらっと参加してほしいとの気持ちから、事前手続を不要にして、Zoom参加に必要な、URL、ミーティングIDとパスコードを議会のホームページに公開していた。その結果、Zoomに侵入して会議の進行を妨害する荒らし行為である「Zoom爆撃」を受けることになった。入室管理を行う議会事務局職員の対応で難を逃れたが、セキュリティ対策が必要だ。
  また、意見交換の時間設定にも課題が残る。今回は30分しかなく、筆者の参加したグループでは、議員からのテーマに関する説明の時間もあり、1人1回発言するのが精一杯だった。議会からの政策サイクルの起点と位置付けるならば、もう少し意見交換の時間を確保する必要がある。
  東村山市議会の広報広聴委員会、横尾たかお委員長は、今回のオンライン議会報告会について、次のように話している。
  「リアル開催時には、帰りがけに気軽に参加してもらえるよう、事前予約はなしで行ってきた経緯があります。オンラインになってもそれを重視して継承してきましたが、今回の荒らし行為を受けて、今後は検討も必要だと感じました。意見交換会の時間設定についてはアンケートにも多くの方からご意見があり、適正な時間を模索してきたいと考えています」。
 

ブレイクアウトルームを活用しての意見交換
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オンラインを活用した住民とのコミュニケーションの可能性

  オンラインでのコミュニケーションについて否定的な意見もある。熱量が共有できないので一体感を持てない、場の空気が読めない、気持ちや真意が伝わりにくいなどである。スキルの問題も加わり、対面でないとコミュニケーションは成立しないと考える人も一定数いる。しかし、時間と距離の制約を超え、多様な住民の意見を聞ける可能性はそれ以上に大きい。また、従来型の会場での対面式の開催のみを計画していると、コロナの感染状況によって、延期、中止のリスクが必ず発生する。市民意見の聴取であれば、やり方さえ工夫すれば、オンラインで十分可能だ。東村山市議会の取組みはそれを示す。
  「不易流行」という言葉がある。その意味は、いつまでも変わらない本質的なものの中にも、新しいものを取り入れること。「新しい日常」化において、議会における「流行」は議会のICT化、オンライン活用である。「不易」はもちろん監視機能と政策提案機能の強化である。コロナ禍だからこそ、住民福祉の向上を目指し、議会からの政策サイクルを回し、政策提案を行う議会になるには、好むと好まざるとにかかわらず、オンラインを活用したアウトリーチの流れは避けられないと思う。
 

東村山市議会議員の皆さん
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