2022.04.11 ICT活用・DX
第10回 オンラインを活用した住民とのコミュニケーションの可能性~東京都東村山市議会の取組み~
2020年4月、東京都で第1回の緊急事態宣言が発令されたため、5月の議会報告会の開催は断念することとなった。しかし、市民への議会報告は何としても続けたいとの強い意志から、8月には録画も編集も議員が自ら行い、YouTubeに議会報告の動画をアップした。その後3回、動画掲載を行ったが、議会からの一方的な報告ではなく、市民との双方向のやり取りが欠かせないとの思いから、2021年8月には、Zoomによるオンライン議会報告会に挑戦。議会からの報告の後に、会議中に短いメッセージがやり取りできるZoomのチャット機能を利用して、市民から質疑応答を受け付けた。11月の開催では、スマートフォンからの参加者がチャットで入力することが大変なことから、一部声出しで質疑を受け付けるなど、オンラインでも改善を重ねながら、議会報告会を継続してきた。
YouTubeでのオンライン議会報告
YouTube 収録の様子
筆者は、その雰囲気を体感しようと、2022年2月18日(金)、19時から20時30分の時間で行われた東村山市議会のオンライン議会報告会に参加した。12月定例会の議会報告の後、今回初めて、Zoomの少人数で話し合う(ブレイクアウトルーム)機能を活用し、4常任委員会がそれぞれ設定したテーマに分かれて意見交換が行われた。市民30人、市外の方13人が参加し、総務政策常任委員会は「投票率向上策」、厚生常任委員会は「受動喫煙対策」、まちづくり環境常任委員会は「市立公園」、生活文教常任委員会は「自治会のあり方」のテーマで活発に議論された。
開催に当たっては、オンライン会議に向けての機材確認、本番に向けてのシミュレーション、Zoomによる全体リハーサルなど、入念に準備を行っている。
東村山市議会の土方桂議長は、これまでの議会報告会の取組みについて、次のように語る。
「私たちの議会報告会は、議会をもっと知ってもらいたい、身近に感じてほしい、という思いから、みんなで相談して3か月ごとにトライアンドエラーを重ねてきました。正直、エラーの方が多かったと思います。対面が難しい状況になったときも、知恵を絞ってどんな形でも継続することが市民の皆さんとの約束だと考えました」。
Zoomによる生配信の様子
Zoomによるオンライン議会報告会
【2022年2月開催 東村山市議会オンライン議会報告会のプログラム】
□事務連絡 ・参加の注意点:マイクオフ、カメラオフで参加可 ・チャット機能の練習として、後半参加したいグループをチャットに入力 □議長挨拶 □参加議員紹介 □12月議会の議会報告 議案とその審議内容など □参加者は質問事項をチャットに入力 □休憩 *休憩時間中に議員は質問への回答を準備 □質疑応答 参加者は、声出し可であればマイクオンで、顔出し可であればカメラオンで □ブレイクアウトルーム機能を使って4常任委員会単位の小グループで意見交換 ・議員からのテーマに関する説明 ・自由に意見交換 □常任委員会委員長が、グループで話し合われた内容を全体で共有 □3月定例会案内 □ウェブアンケート入力説明 □副議長挨拶 |