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2022.04.11 ICT活用・DX

第10回  オンラインを活用した住民とのコミュニケーションの可能性~東京都東村山市議会の取組み~

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「新しい日常」化における議会の変化

  新型コロナウイルス感染症の感染拡大から2年が経過し、「withコロナ」の暮らしは、我々の生活に様々な変化を起こしている。「新しい日常」として、ソーシャルディスタンスの確保、マスクの着用、手洗いなどの基本的な感染対策はもちろん、テレワークやオンライン会議など、我々の働き方も大きく変化している。
  地方議会にも大きな変化が求められている。2021年9月、岐阜県輪之内町議会では、議員1人が新型コロナウイルスに感染、残りの議員8人が濃厚接触者と認定され自宅待機に。その結果、会期中に議員全員が出席することができなくなり、自然閉会となった。こうした不測の事態に備え、総務省が可能であると見解を示しているオンラインでの委員会運営を、「委員会条例」の改正等を行い、実施する議会も現れている(オンラインによる本会議は、「地方自治法」における「出席」の概念が、現に議場にいることと解されているため、現行法上困難)。一般財団法人地方自治研究機構によると、条例、規則の改正により、オンライン会議の実施体制を整えている議会は全国で118議会(都府県16、市区町村102)になる(2022年4月3日日本経済新聞)。
  以前にもこの連載で紹介したが、茨城県取手市議会では、2020年6月、「デモテック宣言」(democracy×technologyの造語)を行い、ICTを活用した議会運営、議員活動に関して調査研究、実践を行っている。Zoomを活用した委員会でのオンライン会議に積極的に取り組み、オンライン採決、音声関連技術を活用した議事録作成などにも挑戦している。
  福祉分野を中心に、「アウトリーチ」という言葉が使われている。直訳すると「手を伸ばすこと」。支援が必要であるにもかかわらず、届いていない人に対し、行政や支援機関などが積極的に働きかけて、情報、支援を届けるプロセスのことを指す。議会におけるアウトリーチの活動として考えられるのが、議会報告会、住民との意見交換会である。しかし、コロナ禍の中、議会報告会、意見交換会を延期、中止する議会が散見される。議会のアウトリーチの機能不全を危惧している。
  今回は、コロナ禍においても、オンラインを活用しながら、議会報告会を継続開催している東村山市議会の取組みを紹介しながら、オンラインを活用した住民とのコミュニケーションの可能性を考える。
 

東村山市議会の議会報告会の進化

  東村山市議会の議会報告会は、「議会基本条例」に明記した上で、「原則として年4回、定例会が終了するごとに開催する」と「開催要綱」で定め、市内の2会場で開催してきた。当初は、議会からの報告と質疑応答だったものを、報告の後に意見交換の時間を設けたり、グループワークを取り入れたり、常任委員会単位でテーマを決めて少人数で意見交換を実施したりと、トライアンドエラーを重ねながら、改善を繰り返してきた。
 

基本条例制定後第1回の議会報告会
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議会報告に対して質問する市民
Chihoujichinoima_ph05
委員会ごとにテーマを決めての意見交換
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