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2022.03.25 政務活動費

第3回 政務活動費による広報費の支出③

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【宇都宮地判平成28年3月17日】  
 ホームページは、表題が「R後援会」となっており、「プロフィール」、「スローガンと政策」、「議会報告」、「質問コーナー」、「ギャラリー」、「後援会について」の項目により構成されている。トップページにはR議員が市民と触れ合う写真などが掲載されている。「議会報告」の項目には、県政報告や一般質問の内容に関する記事のほか、「ありがとうございました。無投票当選御礼申し上げます。」と題する記事などが掲載されている。「後援会について」の項目は、後援会入会希望者のための連絡先などが記されている。……原告らは、R議員のホームページが後援会会員に対する報告であるので目的外支出に該当する旨主張する。しかし、同ホームページが後援会会員のみが閲覧できるホームページであるとは認められず、上記のとおり同ホームページには後援会会員以外の住民のために有益な情報も含まれているから、同主張は採用できない。

【宇都宮地判平成28年3月17日】  
 折り込まれた県議会報告は、表題が「県議会報告 栃木県議会議員R2012」とされ、発行者は「R後援会」と記載されている。……原告らは、同報告の発行者が後援会名になっているから違法である旨主張するが、発行者の名義如何に関わらず、広報紙の内容が、会派が行う議会活動及び県政に関する政策等を県民に知らせるために必要な広報活動である以上は政務調査費の充当も許されるというべきであるから、原告らの主張には理由がない。

【東京高判平成28年9月27日】  
 議員又は議員の後援会が発行する広報紙については、会派が別に広報紙を発行しているか否かにかかわらず、議員個人等の宣伝的な側面と会派の議会活動又は県政に関する政策等の報告とが混在することもままあり、中には専ら議員個人の宣伝等を目的とするものと捉えるべきものも存在すると考えられる。しかし、一般に広報紙については、会派の議会活動又は県政に関する政策等の報告の部分を、議員個人の宣伝等の部分から客観的、論理的に分離することができないといった体裁、内容のものでない限り、当該広報紙の読者である県民は、議員個人の宣伝等と一応切り離した上、当該会派の議会活動又は県政に関する政策等の報告の部分を閲読し、会派の活動や県政の現状、問題点等を理解し、それを踏まえて一定の意見を形成し得るものということができる。したがって、議員個人等が発行名義人となる広報紙の紙面上に、会派の議会活動又は県政に関する政策等の報告のほか、当該議員個人の宣伝的な側面等が混在しているからといって、政務調査費を一切使用することができないとすることは相当ではなく、それぞれの部分が全体に占める割合及び読者に与える印象の程度に応じ、按分して政務調査費の使用を認めることが相当である。

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