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2021.10.11 医療・福祉

第2回 「自治体に忍び寄るケアマネジャー不足の危機」の巻

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ケアマネジャー減少の背景

トメ 半分以下に減っているじゃないか! どうして、こんなことに?
役人 原因分析などの結果はまだ明らかにされていません。しかし、減少の要因としては、以下のことが考えられます。
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トメ 要するに、資格をとっても、うま味もなく、バッシングされるばかり、ってことかね……。
役人 ケアマネジャーに対する利用者や家族の評価等は調査研究資料などでは悪くないんですけどね……。
トメ だけど、2040年頃まで高齢者や要介護者は増える一方で、ケアマネジャーの必要性はますます高まると思うけど、こんなことで足りるのかい?
役人 確かに心配です。AIによるケアプラン作成といえば聞こえはいいですが、現実には、実用的なレベルには至っていません。今後、各自治体はケアマネジャーの人数等も計画的に把握していかなければならないかもしれませんね。

【筆者の視点】
 将来的に、AIが進化すれば、ケアプランも作成できるようになるでしょう。しかし、そこでケアマネジャーが不要になるかというと、全くそんなことはありません。なぜなら、ケアプラン作成そのものは、ケアマネジャーが行う業務のごく一部にすぎないからです。また、ケアプラン作成そのものは、業務の中でも、さほど難しいという部類に入るものでもありません。  それよりも、この業務を難しくしているのは、対象者が80代後半から90代までの高齢者だということです。軽度の認知症や理解力、判断力の低下があるのは普通ですし、変化や新しい考えを受け入れることにも消極的なのが高齢者です。何度も何度も、同じ話を繰り返したり、正論がまかり通らないのは当たり前。「年をとると、性格が丸くなる」のは、ごく一部の人であり、多くは頑固になったり、融通が利かなくなる方の方が多い気がします。ですから、「AさんにはBサービスの利用が適切」等のアイデアはAIも簡単に出すでしょうが、実際には「そんな所には行きたくない」という高齢者が大勢います。そこを調整していくことがケアマネジャー業務の難しさでもあります。それは、到底、AIにはできない領域であると考えます。
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出典:社会保障審議会介護保険部会(第64回参考資料4)「ケアマネジメントのあり方(参考資料)」(平成28年9月23日)(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000137706.pdf)を一部改変
(参考)サービス類型ごとの介護支援専門員(ケアマネジャー)の従事者数

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