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2021.08.12 ICT活用・DX

【第6回】コロナ禍における議会のICT化、「デモテック」への挑戦~茨城県取手市議会の取組み~

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「エッジ」を越えて、「デモテック」で創る地方議会の未来へ

 アメリカのアーノルド・ミンデルが創始した、個人やグループ、組織の変容を促す「プロセス指向心理学(プロセスワーク)」の中に、「エッジ」という概念がある。その人の慣れ親しんだ感覚に近い体験、よく知っている体験の領域、自分が知っている自分(「1次プロセス」)と、その人が不慣れな感覚に近い体験、未知の体験の領域、自分が知らない自分(「2次プロセス」)とを分断している境界がエッジである。エッジは切り立つ崖のようなものである。エッジには、これまでの人生経験から学んだ価値観や信念、思い込み、とらわれが大きく影響している。議会のICT化にエッジ、つまり、戸惑い、抵抗を感じる議員、議会は多いと思う。
 コロナ禍で新しい生活様式が模索される中、「DX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)」というキーワードが一層注目されるようになってきた。進化したICT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるという概念である。国でも、2021年9月にデジタル庁が発足することとなった。デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現される社会の実現が可能になる。これにより行政のデジタル化、国民の利便性向上は進むことになるだろう。
 地域の学校現場では、文部科学省の推進する「GIGAスクール構想」により、児童生徒1人1台のパソコン、タブレッド端末と高速情報通信環境が整備され、ICTを活用した個別最適化され、創造性を育む教育の実現が試行されるようになった。また、コロナで、大学におけるオンライン授業は一般化されている。地方議会だけが、エッジの手前に取り残されてはいけない。
 エッジを越えるには、二つの方法が考えられる。一つは、エッジの手前、既知の状態、慣れ親しんだ状況にとどまることによる個人、組織の損失を深く感じ、気づくことである。もう一つは、エッジを越えた先、未知のものを明確に意識し、その可能性を信じワクワクするような未来を描くことである。
 「デモテック」には可能性がある。コロナ後には、新しい世界が広がる。取手市議会の取組みは、「デモテック」で創る地方議会の未来をイメージしながら、「バックキャスティング」でそれに向かって日々前進する最先端の事例である。
 

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