2021.08.12 ICT活用・DX
【第6回】コロナ禍における議会のICT化、「デモテック」への挑戦~茨城県取手市議会の取組み~
緊急事態宣言下、オンライン会議により提言をまとめる
取手市議会では、2020年4月7日、新型コロナウイルス感染症拡大により、国が緊急事態宣言を発令したことを受けて、当日夕方、対象地域ではないものの、取手市議会災害対応規程に基づいて、「取手市議会災害対策会議」(以下「災害対策会議」という)を設置した。災害対策会議は、市議会災害対応規程では、「議事堂に参集すること」と規定されていたが、感染症という特殊事情もあり、議員全員の意見がまとまり、オンラインで開催することとした。
取手市議会では、2020年度からタブレット端末が導入されることになっていたが、配備前だったため、議員が私有するパソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの情報機器を活用する方法(BYOD:Bring Your Own Device)で行うこととなった。
4月8日、第1回の災害対策会議が座長の齋藤久代議長を含む正副議長、各会派の代表5人の計7人と議会事務局で、Zoomを活用したオンライン会議の手法で試行実施された。Zoomは、複数の参加者が音声と映像により通話できるオンライン会議システムの代表的なものである。今後の災害対策会議の運営、議員の体調異変時の報告義務などについて、予想以上に活発な意見が取り交わされた。本格実施に当たっては、議会事務局職員が丁寧な対面や電話によるレクチャーを行い、オンライン会議参加方法の取扱説明書(トリセツ)を作成し、議員に分かりやすく周知することとなった。また、4月10日には、全議員(24人)を対象にオンライン会議も試行開催された。所用のため1人は不参加だったが、その他の23人の議員は自宅などから参加した。
4月13日、オンライン会議での第2回の災害対策会議が開催され、各会派から上がってきた提言事項について一つずつ協議・確認し、議会としてまとめ、執行部に伝えていくことが決定された。2回目ということで操作にも慣れる議員が増え、意見交換に集中することができた。
4月15日、オンライン会議による2回の災害対策会議で出た意見を「新型コロナウイルス感染症についての提言及び調査事項」としてまとめ、取手市新型コロナウイルス感染症対策本部長である藤井信吾市長に提出した。オンライン会議を活用することで、災害対策会議が設置されて9日というスピード感をもって、議会がその役割を果たしたことになる。
新型コロナに関する提言を市長に
デモテック宣言