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特集 DX時代のマイナンバー活用施策

2021.07.28 ICT活用・DX

マイナンバーカードの健康保険証利用を進めていくために~自治体関係者の皆様にお願いしたいこと~

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保険証利用の仕組みについて

 オンライン資格確認を導入することで、医療機関・薬局では、患者の方の
 ① 医療保険に関する直近の資格情報を確認すること
 ② 同意を得て、薬剤情報や特定健診等の保健医療情報を閲覧すること
の二つが可能になります(資料1参照)。
 Tokushu_shiryou01

資料1

 これまでの紙やカードの保険証では、転職などで資格を失っていても医療機関等の窓口ではその把握ができませんでした。無効となっている保険証の情報に基づき医療機関等が請求をしても、資格がない受診としてレセプト(請求書)が返ってきていました。結果として、医療機関等では正しい資格の確認に多くの時間を費やし、場合によっては未収金が発生していました。
 今回導入する仕組みは、マイナンバーカードのICチップに格納された電子証明書、あるいは保険証の記号番号等を用いて、社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会とが共同で設置したデータベースへ、受診の際に資格情報等を確認しにいきます。このデータベースには、市町村国保や健康保険組合などの各医療保険者が直近の資格情報や関連する情報を登録していますので、医療機関等の窓口では、患者の直近の資格情報を確認できるようになります。
 このことで、資格を失った後の受診を確認しやすくなり、医療機関の事務の効率化が図られます。
 また、患者の直近の資格情報を自動的に院内のシステムに取り込むことができるようになりますので、保険証の情報を院内システムに手入力する必要がなくなるとともに、誤記による請求誤りのリスクがなくなるなど、事務の効率化が図られます。
 今後、人口減少が続くなかで医療・介護の提供体制を確保していくためには、省力化できるところは省力化していくことが必要不可欠であり、そのような大きな方向性のなかで、このようなメリットの重要性は増していきます。

保健医療情報を閲覧する仕組みについて

 患者の方にとっては、もう一つの「保健医療情報が閲覧できる」機能が重要になります。
 患者の同意を得たうえで、特定健診情報(75歳以上の者については後期高齢者健診)や薬剤情報が医療機関・薬局において閲覧できるようになります(薬剤情報については、令和3年10月から)。他の医療機関で受診した際の処方薬や自分の健康状態を医師等に正確に伝えることができますので、より適切な医療を受けられる環境につながります(資料2)。
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資料2

 資格の確認については従来の保険証でも可能ですが、薬剤情報等は機微な医療情報ですので、マイナンバーカードを用いて確実な本人確認を行ったうえで閲覧できる仕組みとしています。
 ただし、災害時には、非常事態であることを踏まえ、マイナンバーカードによる本人確認ができなくても、氏名、生年月日等により本人確認を行うことで、情報を閲覧できるようにしています。災害時に、普段服用している薬を家に置いて避難してきた場合などの際に、患者の方が医療者に対して薬剤情報を正確に伝えることは簡単ではありません。そのような場合でも、過去の処方情報に基づいた診療・服薬指導が可能になることは、非常に大きなメリットがあります。
 なお、この仕組みは、マイナンバーそのものを使うわけではなく、また、マイナンバーカードのICチップに医療情報等が格納されるわけではないことを、利用者の皆様にご理解をいただくことが重要だと考えています。

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