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2021.06.10 議会コミュニケーションに関するアンケート調査

議会コミュニケーションに関するアンケート調査【後編】

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3 議会コミュニケーションと議会改革

 「議会コミュニケーション」という視点から行ったアンケート調査の結果をもとに、議会改革の取組みのうち、「議会報告会」、「政策立案」、「反問権」の三つを取り上げて分析してきた。それぞれの取組みには、特有の議会コミュニケーションへの作用が見られ、それぞれの取組みの設計と運用によって、その効果は大きく違ってくるようである。そしてそれは、実施する議会の環境によっても違ってくるとの印象を持った。議会コミュニケーションの視点からそれぞれの取組みの効果を見定め、またその議会の環境を踏まえた取組み方の工夫が求められるものと思われる。重要なことは、実施することが目的化してはならないということであろう。
 最後に、議会コミュニケーションの視点から今後の議会の課題として三つ挙げておきたい。
 一つ目は、ハラスメントの問題である。議員はその立場から特殊な就労環境にあり、住民、行政、議員間のそれぞれの中で、表面化しにくい課題があるように思われる。それは、議員が加害者にも被害者にもなる可能性があり、すでに一部の自治体で表面化し事件化しているところもある。これらをまれな事例として捉えるのではなく、根幹的なコミュニケーションの問題が議会に存在すると考えるべきである。
 二つ目は、議会の災害時対応である。すでに一部の議会では災害時の議会・議員のあり方を議論し規定しているところが見られるが、災害時に議会・議員の力をどう活用するかの議論は緒に就いたばかりであり、これについては、単なる災害時の行動マニュアルをつくり上げるというのではなく、議会として災害時に効果的な働きができるよう住民、行政、議員間といった議会コミュニケーションの視点から、しっかり検討されるべきである。
 三つ目は、急激なICT環境の進展である。ICTは人々やコミュニティーのコミュニケーションにも大いに変容をもたらすが、特にコロナ禍の影響も相まってその変化は加速している。そういった住民生活や地域コミュニティーの変化をつぶさに捉え、議会コミュニケーションを見通していくことは重要になってくるであろう。

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