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2021.05.25 コロナ対応

第77回 コロナ禍における一般質問の中止/監査委員の選任

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監査委員の選任

QB市の代表監査委員から、健康上の理由により6月末をもって辞職したいとの申出があった。長は後任の代表監査委員の調整がついてから、議会に次の代表監査委員の選任同意議案を提出する予定であるが、当該選任同意議案は辞職の効力が発生した日以後でなければ議会に上程できないか。

A監査委員は地方自治法(以下「法」という)196条1項のとおり、議会の同意を得て、人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者のうちから選任することとされている。

法196条
① 監査委員は、普通地方公共団体の長が、議会の同意を得て、人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者(議員である者を除く。以下この款において「識見を有する者」という。)及び議員のうちから、これを選任する。ただし、条例で議員のうちから監査委員を選任しないことができる。

 また、監査委員を辞任しようとする場合、法198条により長の承認を得ることが必要となっている。

法198条
監査委員は、退職しようとするときは、普通地方公共団体の長の承認を得なければならない。

 ここで、本問におけるように監査委員が確定日付のある辞職願を出した場合、いつから次の監査委員の選任同意議案を長が議会に提出することができるのかといえば、行政実例昭和26.11.9のとおり長が辞職願を承認したときから選任同意議案を長が議会に提出し、議会は上程することができると考える。

監査委員の選任と議会の同意時期(行政実例昭和26.11.9)
問 監査委員の選任は任期満了前に行うことができないという行政実例(昭24.8.19)があり、一方選挙管理委員の選挙は任期満了の日以後行うことが原則であるが、議会招集の都合等により任期満了前に行うことができるという行政実例(昭24.10.24)があるが、監査委員の選任に関する行政実例はその後変更されたものか。もし変更されていないとするならば、選挙管理委員の場合と異なる理由は何か。
答 前段、変更されていない。後段、選挙管理委員は、議会の選挙によって選出されるものであるから、その議会招集等の手続において多くの時間を要する等の理由から、特に任期満了前に選挙することが認められたのに対し(この場合にあってもその就任は前任者の任期満了の日以後である。)、監査委員は、議会の同意をあらかじめ得てのち長の選任行為によるもので、その長の選任行為については特に時間を要するというものではない。従って、あらかじめ選任しておくというほどの必要は存しないので、監査委員については、前任者の任期満了前の選任が認められなかったのである。
 なお、監査委員選任に対する議会の同意をあらかじめ得ておくことはさしつかえない。

 長による監査委員の選任同意議案は、議会において審議、同意されてもそれによってただちに監査委員の選任の効力が生じるわけではなく、長が監査委員を選任するための前提要件であるから、監査委員の辞任による任期が満了する前であっても提出し、議決することは可能である。
 議会の同意を得た後、長が監査委員を選任することができるのは、確定日付のある辞職願に記載された退職の日が到来した日以降であれば可能である。

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