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2021.01.29 コロナ対応

第3回 コロナ禍における広報・広聴活動のDXと展望

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◉議員質問のポイント
 ③については、DX全般についての質問です。

① 広報活動の結果をきちんと分析していますか。
 広報誌の発行部数だけでなく、HPではAdobe Analytics(4)などを使えば、いつ、どんな情報に関心が寄せられていたか、どのくらいの滞在時間であったか、また、閲覧者はどのような検索エンジンを通ってHPにたどり着いたかなどを調べることができます。実施している広報活動で役に立っているもの、あまり読まれていないものなど住民のニーズの把握に役立ちます。

② 広報活動において、UX(ユーザーエクスペリエンス)を考えていますか。
 UXとはインターネット用語ですが、単純な効率性やページの見やすさだけでなく、閲覧者が感じる心地よさのことです。HPを見て、探しているページにすぐにたどり着けないことや何度もクリックしなければいけない経験をしたことがあると思います。それでは、閲覧者は面倒で使いたくなくなってしまうかもしれません。
 連載第1回で、広報とは「自治体の事業内容や活動状況を住民等に広く知らせ、理解を求めること」と定義しました。広報誌やHPにおいても画一的に情報を載せるだけでなく、住民の印象に残り心地よく感じるつくり方が必要です。気になる情報がすぐに見つけられ、簡潔で分かりやすく表記されていることが重要です。人気のある自治体のHPを探して、参考にしてみてはいかがでしょうか。

③ 政府の急速なDX促進策に対して、どのように対応する予定ですか。
 政府は情報システムの標準化によって、手続の簡素化、迅速化、行政の効率化等を考えています。政府の示した標準仕様を見越して自治体業務を早めにデジタル化することで、住民はいつでも自治体情報にアクセスでき、自治体は窓口業務や紙媒体からのシステム入力などの負担を減らすことが期待できます。

(1) 人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるためにデジタル技術を活用することです。より情報を幅広い層に素早く届けるために、紙よりもデジタルのウェブ系メディアにシフトしています。ちなみになぜ“DT”ではなく“DX”と略されるかは、Transformationの“Trans”が“Cross(交差する)”と同義語として用いられ、Crossを視覚的に表すときにアルファベットの“X”が代用されるために“DX”と略されるようになったといわれています。
(2) 仮想空間と現実空間を合わせたシステムをつくることで、経済発展と社会的課題の解決を両立することができる、人間中心の社会のこと。Society1.0は狩猟社会、2.0は農耕社会、3.0は工業社会、4.0は情報社会とされています。
(3) 今までの顧客満足度ではなく、他人へのお勧め度の調査です。FacebookやInstagramの書き込みでも分かるように、信頼しているものは他人に伝えたいと考える人が多くいます。そこで、評価してほしい対象(商品、サービス)に対して0〜10点の点数をつけて評価してもらいます。9〜10点は「推奨者:他人にお勧めしてくれる可能性が高い人」、7〜8点は「中立者:褒めも批判もしないが、何かあれば競合に移ってしまう人」、0〜6点は「批判者:批判的なイメージを持っている人」と分類します。NPSは推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出します(図5)。
(4) ウェブサイトの訪問履歴やキャンペーンの成果などのデジタル施策から顧客の潜在的な要望=インサイトを獲得し、アクションにつなげることのできる分析ツールです。「AA(エーエー)」と略されたりします。

 
バナー画像:涸沢のテント (© Yashiro_Hino クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際))を改変して使用

 

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