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2020.11.25 広報広聴

第2回 広聴活動の現状分析と新たな政策構築の手法の提案 ──岩手県北上市の事例

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4 政策提言の概要

 企業の現場においては、PDCAサイクル、すなわち「Plan=計画」、「Do=実行」、「Check=評価」、「Action=改善」の4段階を循環的に繰り返し行うことで、業務を改善・効率化することができるといわれています。新しいタウンミーティングでは、実施後の反省を次回運営に反映し効果を向上させる仕組みを考えました。
 ここでは、①募集(告知は様々なチャネルで)、②応募(誰でも参加しやすい環境づくり)、③実施(話しやすい交流の場へ)、④実施後(結果を発信することで認知度向上)の四つに分け、筆者が提言した内容について述べたいと思います。
 まず①の募集時です。告知はパンフレットのみであったものを、市長からのメッセージを入れ込んだ上で、複数チャネル(広報誌や市のホームページ、SNS)にも展開し、申込みもパンフレットやメール、市のホームページから直接など選択肢を多く設けることで幅広い年代が参画しやすい参加条件としました。
 続いて②の応募段階では、平日昼間に開催が限定されていたものを、平日夜や土日の昼間など会社員でも参加しやすい設定に変更しました。また、市が主催のイベント(お祭りなど)の中で時間を設けたり、登録団体での参加が必須であったものを個人参加ができる
ようにするなど、参加への心理的ハードルを下げることも重要であると考えました。さらに、これまでタウンミーティングは意見が市政に反映されるものではないと明言されており、各回のテーマも明確に定められておらず、参加(する)意義が分かりにくい設計となっていたことから、市民意識調査で力を入れてほしいスコアの高い市の施策などをテーマとし、より行政側にもメリットのある設計にしました。
 そして③の実施において、場が盛り上がらないという課題がありました。市長と市民の間柄を考えると、どうしても最初は緊張して話しにくいと思いますし、盛り上がりに欠けると思います。アイスブレイクを入れて話しやすい場づくりをしてからディスカッション
に入り、グラフィックレコーディング(1)(議論や対話などを絵や図などのグラフィックに可視化して話の内容を分かりやすくすること)を取り入れて議論の活発化を図るのは良い方法と考えました。
 最後に④実施後では、実施した内容を①と同様、参加者の感想と一緒に複数のチャネルへ公開し、具体的にタウンミーティングがどのようなものであるかの理解が深められるようにしました。③で使用したグラフィックレコーディングを掲載すれば、文字だけの議事
録と比較して興味や新しさも感じることができます。また、参加者にはアンケートを実施して良い点・改善点を抽出し、次回開催に反映させてゆけば、より良いタウンミーティングになるのではないでしょうか。以上が筆者の提言内容です。

 

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