2020.09.25 選挙
悪天候により離島から本土の開票所に投票箱を送致できない場合離島で開票を行うことができるか/実務と理論
2 開票区について
公職選挙法(昭和25年法律100号。以下「法」という)18条1項において、開票区は、市町村の区域によるとされている。ただし、都道府県の選挙管理委員会(以下「都道府県選管」という)は特別の事情があると認めるときに限り、法18条1項の規定にかかわらず、市町村の区域を分けて、又は数市町村の区域の全部若しくは一部を合わせて開票区を設けることができるとされている(法18条2項)。
また、市町村の選挙管理委員会(以下「市町村選管」という)は、このような特別の事情があると認めるときは、都道府県選管にその旨を届け出なければならないとされている(公職選挙法施行令(昭和25年政令89号。以下「令」という)10条の2第1項)。 この都道府県選管が認める特別の事情については、一般的には恒久的なものを想定しているが、一時的なもの(特定の時期に行われる特定の選挙に限って生じるもの)も否定されない。すなわち、法18条2項の規定は、災害等により選挙期日に投票箱の送致ができない事態が生じた場合のように、選挙期日当日や選挙期日に接近した日において、その選挙に限り、分割開票区や合同開票区を設けることも否定されない。
そして、分割開票区又は合同開票区を設けたときは、都道府県選管は、直ちに告示する(法18条3項)とともに、直ちにその旨を関係市町村の選管に通知しなければならないとされている(令10条の2第5項)。