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対談 自治体議員のキャリアパスとは

2020.03.25 仕事術

【対談】小田理恵子さん×編集部  自治体議員のキャリアパスとは~パブリックマインドが武器に(下)

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編集部 地方議員のキャリアから得た能力を活かした活動を可視化できるということですね。

小田 はい。それから議員が次のステップに行きやすくなると、職業政治家が減って、もっと普通の人が地方議員になりやすくなるのではないかなと期待しています。これは、先ほどお話した議会内の多様性の話につながります。

編集部 今小田さんがお話して下さったのは、地方議員にポジティブな行動を則す仕組みについてですね。

小田 一度地方議員を経験し、その辛さを知っているからこそやりたいと思ってきました。地方議員というのはとても大変な仕事です。基本的には、地域や社会へ想いがある人でないとできない、務まらないです。
 地方の議員さんは本当にその地域の課題をよくわかっています。都市部の議員さんも勿論わかっているとは思いますが、住民一人ひとりすべての顔が分かっている地方の議員さんには頭が下がります。だから私たちの会社では、出来る限りそうした方たちの想いを実現するために、都市のお金と資源を回していくことも手掛けたい。これは、議員という立場ではできないことなので、起業したということになります。

議会、議員に期待すること

編集部 小田さんご自身は議員という形でなく、新しく起業され、次のステップに進まれました。一方で、地方議員という立場で頑張る方も多くいらっしゃいます。そんな方たちに期待していることを改めて教えて頂けますでしょうか。

小田 地方議員には、ばんばん発信していってほしいと思っています。今地域でどういうことが課題になっているのか。自分は何を手掛けているのか。住民は何に困っていて、議会はどう動いているのか、そういったことをもっともっと発信してほしいと期待しています。
 私は自分自身が議員になる前には、議員がどういう風に活動をしているのか知りませんでした。活動を認知していなかったんです。それは議員の発信量が少ないということに起因すると思います。だから地方議員には沢山発信してほしいです。ただ、餅つきに行ったとか祭りに行ったということでなく、議員として地域の課題をどうとらえ、どう考えているかについて書いてほしいと思っています。

編集部 それはどういうことでしょうか。議員が積極的に地域のことを発信すると、企業側として課題(=question)を知ることができ、民間企業とつないでいくことができるからでしょうか?

小田 そういうことでもなく、単純に、議員が発信を増やすことで、住民にもっと政治が伝わると思っているんです。日々の暮らしと政治が地続きということが住民にもわかるようになります。住民とどう関わっていくのかが、これからの政治の根幹だと思っています。私たちの会社でも、何かプロジェクトをやるときには大事なステークホルダーとして住民の意見を取り入れる機会を設けます。まちづくりの案件など、住民と直接コミュニケーションをとっている事案もあります。
 繰り返しになりますが、地方議員というのは本当に大変な仕事です。想いのある人でないと、とても務まりません。地方の議員さんは、そのまちの課題を誰よりも分かっている。だからこそもっともっと発信してほしい。今は残念ながら存在が知られていません。議員として、今どんなことを考えているのか、自分の考えをもっともっと発信してください。住民がそれをわかることで、政治が身近になる、と思っています。

編集部 そうですね、メディアで取り上げられるのは不祥事のときが多い。もっともっとポジティブな発信を議員自身が行っていくことで、議会、そして自治体を取り巻く状況は変わっていくと思います。行政に関わっているからこそのパブリックマインドに共感する住民は多いのではないでしょうか。小田さん、本日はお話を頂き、ありがとうございました!
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QWSに設置されている、場づくりのための様々な仕掛け。新しい価値を創造していくための工夫が随所にみられる。

本対談の(上編)はこちらから

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