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2020.01.27 議員提案条例

第4回 議論する議員提案条例②─既存条例の一部改正の手法とメリット─

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(3)担当部局との調整 
 作業チームにおいて、条例改正案が固まりつつある段階で改正案の内容について担当部局と調整を始める。これは、一つには議員提案条例といえども条例の運用は執行部がするのであり、現場で適正に運用されるかを確認する必要があること、二つには条例改正の内容について、違法・不当の問題が生じないか確認するためである。調整の相手側は、当初は現場の実務者で、議会側は議会事務局の法務担当職員で始め、論点を明確にする。調整が整ってきた段階で、最終的には、部局長と議員側の作業チームのメンバーでの調整ということになる。

(4)市民の巻き込み 
 住民自治の成果を一つの形で表したものが議員提案条例であると考えると、条例改正を検討する段階から、並行して市民の巻き込みを図ることが、議員提案条例でも有効である。市民の巻き込みの重要性と具体の方法については、前回(2019年12月25日号)でも紹介したので、ここでは割愛するが、条例の場合、改正条例の成案がまとまった段階でパブリックコメントを行うことが望ましい。パブリックコメントについては、自治体によってはパブリックコメントの条例や要綱を設けている場合もあり、議員提案条例も該当する場合は、その手続を適用又は準用する。条例等がない場合は、議会運営委員会や委員会の議を経て議会としてパブリックコメントをすることが望ましい。議会運営委員会等の議を経るのは、あくまでも議会として公式な手続の形をとることにより、議会のホームページへの掲載や地域説明会の開催を公費で行うことが可能となるためである。 
 このような形で、集めた市民の意見をもとに改正案を決定する。

(5)議会への提案等  
 次に、改正案を議会に提案するプロセスに入る。基本的にここからは、新規条例を提案する手続と全く同様である。①議会運営委員会への付議⇒②本会議への提案・提案理由説明、質疑、討論⇒③委員会への付託⇒④本会議での委員長報告、質疑、討論のプロセスを経て条例が成立するのが通常である。委員会提案の場合は、③の委員会への付託が省略される。

(6)改正条例の公布、施行のための引き継ぎ 
 条例の成立後、議長から議決された条例が送付され、首長は、再議等が行われない場合、送付後20日以内に条例の公布をしなければならない(地方自治法16条2項)。施行に当たっては、条例の担当部局に対して議会側からの条例関係資料の提供や説明を行うことが適正な運用のためには望ましい。また、場合によっては、議会側は担当部局の求めに応じて、規則立案の際の助言や条例の趣旨の広報などの協力を行うことも大切である。

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