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2020.01.27 議員提案条例

第4回 議論する議員提案条例②─既存条例の一部改正の手法とメリット─

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5 一部改正条例の立案のプロセスとマネジメント・スキル

 条例の見直し作業の結果、一部改正する対象となる条例が決まったら、改正に向けた作業を進める。改正作業は、新規条例を制定する場合と基本的には同様であり、おおむね次のとおりである。

(1)条例改正作業チームの体制づくり 
 まず、条例改正の起草作業を実際に行う作業チームを結成することが必要となる。改正条例の提案の仕方により、改正作業をするチームづくりが多少異なるが、いずれの場合も、条例の検証見直し作業との連続性を持たせるため、チームのメンバーには、改正しようとする条例の検証見直しを実際に行った議員が含まれていることが望ましい。

ア 委員会提案の場合  
 委員会提案で条例改正を行う場合、委員会提案で作業を行うことを委員会で決定した上で、委員長のリーダーシップのもとに、委員会の人数や会派構成により、チームメンバーを決めていく。委員会提案の場合は、これらのプロセスを委員会の公式の場で行うことが必要である。

イ 会派共同提案、議員有志による提案の場合  
 共同提案に賛同する会派、議員有志からチームメンバーを選出する。全会派共同提案の場合は、自治体議会によっては、議会運営委員会への報告等が必要な場合もある。

(2)条例改正案の立案 
 作業チームにおいて、まず条例改正の基本設計となる制度の骨子を固める。その上で、①条例案要綱、②新旧対照表、③改正案文、④必要な附属資料を作成していく。新規条例の場合と異なるのは、②新旧対照表が必要な点である。附属資料としては、改正制度の概要説明資料、想定問答集などである。 
 また、最終的に議会に議案として提出する改正案文の形式は、自治体により、いわゆる「改め文」方式の場合と「新旧対照表」方式の場合がある。  
 上記の①から④までの資料は、作業チームの議員だけではなく、議会事務局の職員の協力を得ながら作成する。議員による作業チームと議会事務局職員との関係については、議員は制度改正について相互に議論し、改正の方針・方向性を定め、議会事務局職員は作業チームの議員の要請に応じて、適切な議論や判断が行われるよう、十分な資料の提供、法的解釈の支援、法律的・政策的な論点のとりまとめ、改正案文の起草、執行部の担当部局との連絡調整などの事務作業を行う。 
 作業チームと議会事務局職員はいわばパートナーの関係であり、作業チームの議員は議会事務局職員に丸投げするのではなく、議会事務局職員の側も、単に事務的・作業的な面のみならず、有効な制度改正が行われるよう、法技術的サポートを行うよう努めなければならない。
 

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