2019.12.10 条例
自治体議会のための条例立法の基礎(3・完)
10 おわりに──地域のことは条例立法で自ら治める
地域のこと、つまり住民生活の公共的課題は、その解決策を法律の制定改正に頼って、国に要望を繰り返したりすることが見受けられるが、そうではなく、自主的・自立的な条例立法により解決を図ることが、地方自治が保障された日本国憲法下の自治体にはふさわしいことである。
法律の制定改正に頼っても、問題が全国化しないと、なかなか制定改正は進まないのであり、その対応は「時機遅れ」になりやすい。制定がなされても、その適用対象が全国であるため「全国画一」となり、地域特性のある問題には的確に対応できないことがある。制定が「省庁縦割」でなされるため、老若男女が多様に暮らす地域住民生活の総合性に適合的でないこともある。
このような法律に対し、条例立法には「地域先行」、「地域特性」、「地域総合」の強みがある。自治体議会はこのことを自覚して、住民の代表として、地域のことは自ら治めるという「自治」を目指すことが求められる。