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2019.09.10 コンプライアンス

第17回 インターネット時代の情報発信(選挙時編)

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3 解禁された選挙運動
(1)ウェブサイト等を利用した文書図画の頒布(法142条の3)
 【できる主体】
・公職の候補者……○
・政党等……○
・その他の者……○
 【できること】
① 文書・画像の表示・頒布……○
 選挙運動のために使用されるホームページやブログ等は、画面それ自体が「選挙運動のための文書図画」となります。
 文書図画の頒布については法142条が厳しく制限していますが、ウェブサイト等を使用するものについては、全ての主体に対して解禁されました。
 したがって、ホームページ、ブログ、フェイスブックを開設して選挙に関する情報を発信することに限らず、ツイッター、LINE、インスタグラム等のSNSでの投票依頼や活動報告などの選挙運動も自由に行うことができます。
 さらに、SNSなどでのメッセンジャー機能は「電子メール」に当たらないため、この機能を使って投票や応援依頼などの選挙運動を行うこともできます。
② 動画の配信・アップロード……○
 動画も、動く文書図画として利用することができます。したがって、YouTube、ニコニコ動画などで投票を呼びかける動画や演説会の様子などを配信し、又は録画した映像をアップロードすることもできます。
③ 画像データのダウンロード・印刷……△
 選挙運動用ビラやポスター、選挙はがきの図案などをデータとしてホームページなどに表示させることは、①で述べたとおり可能です。
 しかし、ホームページ等を見た人がデータをダウンロードして印刷するにとどまらず、印刷物を掲示したり配ったり、はがきとして利用することは、画面に表示させる範囲を超えており、当該印刷物は一般の選挙運動用文書図画の頒布・掲示行為として規制の対象となります(法142条、143条)。
④ 投票日当日の頒布……△
 投票日の前日までに頒布したものは、投票日当日以降もそのままにしておくことができます(当日については法142条の2第2項、その後については解釈上)。したがって、投票日に削除する必要はありません。
 しかし、投票日当日に新たに書き込みや更新をしたり、アップロードすることはできません。
 【注意】
① 表示義務
 頒布する者は、電子メールアドレスその他のインターネット等を利用する方法によりその者に連絡をする際に必要となる情報を受信者の通信機器の画面上に表示させなければなりません(法142条の3第3項)。
 「その者に連絡をする際に必要となる情報」の具体例として、メールアドレスのほか、返信用フォームのURL、ツイッターのユーザー名など、その者に直接連絡がとれるものであることが要求されています。
 表示方法としては、直接メールアドレスを表示する方法のほか、IDやハンドルネームをクリックするとリンク先で上記情報が表示される方法なども認められます。
 ホームページでは多数のページがつくられることもありますが、各ページが一つの「文書図画」となります。そこでトップページに連絡先を記載して、他のページからリンクなどでトップページに戻れるようにすることで、連絡先の表示を最小限にすることができます。
 さらに、ツイッターなどSNSでユーザー名から直接連絡がとれる場合などでは、メールアドレスの記載がなくともユーザー名の表示で足ります(総務省のガイドラインもご参照ください)。
② 他の権利との衝突
 文書図画を頒布するに当たっては、他の者の名誉を傷つけたり、著作権や商標等の権利を侵害しないよう配慮しなければなりません(法142条の7参照)。
 また、選挙運動の様子を動画や写真で公開する場合などは、写り込んでいる他の人の肖像権やプライバシーを侵害しないように気をつけましょう。

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