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2019.07.25 コンプライアンス

第16回 インターネット時代の情報発信(平時編)

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解説2 インターネット等を利用した政治活動と公選法
1 原則として自由にできる
 法は、インターネット等を利用した政治活動についてはほとんど規制を設けていませんので、原則として自由に行うことができます。
 特に、選挙後のインターネット等を利用した挨拶行為は明文で認められました(法178条2号)。

2 規制される場面(挨拶を目的としたインターネット有料広告の禁止(法152条1項))
 公職者や公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者及び法199条の5に定める後援団体による挨拶目的のインターネット有料広告は、時期を問わず規制されます。

解説3 その他注意すべき規制
1 事前運動の禁止(法129条)
 選挙運動期間外の選挙運動が規制されるのは、インターネットを利用した選挙運動・政治活動においても同様です。
 インターネットを利用した情報発信は、手軽かつ即時に行うことができるため大変便利です。そのため、選挙告示前に掲示板やSNS、電子メールを使用して打ち合わせや計画連絡などを行っている方も多いのではないでしょうか。純粋な事務連絡を行う場合は選挙運動の準備行為といえ、事前運動には当たりませんが、多数の後援会会員に選挙運動期間中の行動予定や演説会日程を一斉配信するなど、連絡態様によっては投票依頼目的とみなされ、事前運動に該当する可能性があります。
 また、選挙運動用電子メールの配信を行うには、事前に送信先電子メールアドレスを通知してもらうことや選挙運動用電子メールの配信の通知等が必要です。そこで、告示前にこうした電子メールアドレスの収集・選挙運動用電子メール配信についての通知を行うことになりますが、その際に投票依頼を行ったり、選挙での支援・支持を求めるような文言を使わないよう配慮しましょう。

2 報酬の支払(法197条の2、221条)
 選挙運動用ホームページやSNSなどの更新や書き込み、選挙運動用電子メールの配信を支援者に手伝ってもらったり企業に依頼する場合、依頼内容によっては選挙運動の依頼となります。
 更新や書き込み内容、送信メールの文面を候補者が決定し、それをそのまま依頼された者が機械的に更新・書き込み又は送信する場合は問題ありませんが、内容の検討や作成、アレンジなどを含めて行わせたような場合は、「内容の検討や作成、アレンジ」が当選を得させる目的でなされる選挙運動となるため、依頼された者は選挙運動員に該当し、報酬を支払うことができません(法197条の2)。
 加えて、報酬の支払を約束した場合や支払をした場合は、買収罪(法221条)も成立しますので注意が必要です。

まとめ

 今回は、インターネットを使った活動のうち、平時のものを取り上げてみました。規制は思ったより少なかったのではないでしょうか。  
 政治活動では、選挙運動と違い、基本的には自由に行うことができ、制限は例外です。
 これに対し、次回検討する選挙時については、平成25年法改正でインターネットを利用した選挙運動が解禁されたものの、細かな規制がたくさんあります。
 次回はかなり分かりにくいところもありますが、効果的な選挙運動展開のため、ぜひ理解に努めていただければと思います。

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