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2019.06.10 カテゴリー

第12回(最終回) 未完の自治体議会改革~自治体議会の現在・未来~

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(6)議会事務局職員は議会のために全力を尽くすこと
 職員は、首長部局の人事異動により議会事務局へ配属されますが、行政の対応を「忖そん度たく」するのではなく、「議会本位の仕事」に取り組むことが必要です。それぞれの議会にあっては、議員との関係は多様ですが、議会運営に当たっては両者の連携が必須です。
 そのため、議長、あるいは会派の合同会議では、首長部局に対し、職員の異動(転出)に当たっての配慮がなされるよう申入れを行い、職員が議会において最善を尽くせるよう環境を整えるべきです。それが、議長の任命権者としての実質性を高めることにつながります。
(7)政令指定都市議会の狭域自治を目指すこと
 政令指定都市においては、本庁行政のチェック中心では巨大機構を十分に制御できません。行政区ごとの実情を踏まえた「区行政の総合化」の観点から、タテ割り行政の弊害を打破するために、区常任委員会を設置するなど議会の分権化を進めるべきです。「議員の市民性」は、行政職員の市民感覚に勝るとも劣らないレベルにあり、十分なチェック機能を発揮できるはずです。
(8)会派の活動の透明性を高めること
 議会運営を効率的、効果的に行うには、会派の活動が必要不可欠です。しかしながら、議員一人ひとりが選挙で選ばれている以上、議員には、個々に責任を持った行動が求められます。
 したがって、採決に当たっては、議員個々の判断に委ねるべきであり、会派としての一体性を優先するのであれば、「会派としての説明責任」、「会派自身による決定過程の情報公開」が求められます。
(9)災害時の仕組みを確立すること
 首長同様、議会を構成する議員も住民から選ばれている以上、災害時には議会も行政側と同様に住民意見を把握するとともに、行政の取組みをチェックし、支援していく体制を整えることが必要です。そのためにも、「議会のBCP(業務継続計画)」が必要になります。
(10)議会としての総合力を高めること
 以上のことから導き出されるのは、「議会としての総合力を高める」ことです。議員は当選して初めてその力を発揮できるものの、個々の議員がバラバラに活動し、スタンドプレーに走ってしまっては、合議制機関としての役割を十分に果たすことはできません。
 「採決における多数決」は手段にすぎません。議会事務局を含め、議会の総合力を高め、住民に真摯に向き合うことが住民の信頼を勝ち取るのです。その結果として、「議員のなり手不足」、「議員報酬」にも好影響を及ぼすことが期待されます。

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