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2019.05.27 コンプライアンス

第15回 浮かれて踏み外さないように──選挙後の対応

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解説4 その他の規制
1 文書図画の撤去(法143条の2、178条の2)
(1)選挙運動用の文書図画の撤去〈その1〉(法143条の2)
 選挙事務所を廃止したときや、選挙運動用自動車等の使用をやめたとき、演説会が終了したときは、これを表示するために使用していたポスター、立札、ちょうちん及び看板の類を即時に撤去しなければなりません。
 特に選挙後は、選挙事務所を廃止して閉鎖することになりますが、撤去・明渡しまでの間、ポスターや看板がそのまま残されている光景をしばしば目にします。これは違反ですので気をつけましょう。

(2)選挙運動用の文書図画の撤去〈その2〉(法178条の2)
 ポスター掲示場(任意制ポスター掲示場(法144条の4)を除く)以外に掲示された選挙運動用ポスターや知事選挙における演説会場に掲示した立札及び看板の類は、選挙期日後、速やかに撤去しなければなりません。
 無投票の場合は、その旨の告示の日から速やかに撤去する必要があります。
 なお、(1)・(2)とも罰則規定はありません。しかし、政治家としての良識の問題ともいえますので、法令遵守を心がけましょう。

2 文書図画の頒布規制(法129条、142条、公職選挙郵便規則7条、8条)
 選挙運動に使用する選挙ビラ(町村議会議員選挙を除く)や選挙はがきは、選挙運動期間中に限り、法定の方法でのみ頒布することができます(法129条、142条1項、5項、6項、公職選挙郵便規則7条、8条)。
 したがって、選挙の期日後は運動期間が終了しているため、選挙ビラや選挙はがきを頒布することはできないことになります。

3 選挙はがき等の譲渡禁止(法177条2項)
 日本郵便株式会社から交付を受けた選挙用である旨の表示をした選挙はがき、選挙ビラ・ポスター用の証紙や知事選挙における特殊乗車券は、これを他人に譲渡することは罰則(法244条1項8号)をもって禁止されています。

まとめ

 選挙が終了すると、候補者も応援していた方々も張り詰めていた緊張が解けるとともに、結果に対して息をつく暇もなく対応しなければなりません。
 そんなときにこそ、心に隙が生まれ、冒頭で述べたようによかれと思ってしたことが思わぬところで法に抵触する「うっかり違反」が起きる可能性が高くなります。完璧な対応はなかなか困難ですが、少なくとも「こんな規制もあるんだ」といった意識を持って動くだけでも、リスクを大きく下げることができます。
 本稿が「これ、やっても大丈夫かな?」という一瞬の気づきの一助になれば幸いです。

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